麻生太郎首相は、8月9日、核兵器の先制不使用について、意図の検証方法のない考え方で日本の安全を確保できないとの考え方を示しました。ここには議論の混乱があります。求められているのは、「敵国」の先制不使用宣言ではありません。日本の同盟国であり、圧倒的な通常兵器と核兵器を併せ持つ米国の先制不使用宣言です。核兵器の役割を他国による核使用の抑止に限ることにより、分単位で発射できるミサイルの警戒態勢の解除や、大幅核削減を可能にしようという話なのです。
米国の「憂慮する科学者同盟(UCS)」のグレゴリー・カラキーさんとクリントン政権で安全保障政策に関わった経験もあるプリンストン大学のフランク・フォンヒッペル教授。
二人は、2009年7月17日(カラキー氏)と7月30日(カラキー、フォンヒッペル両氏)、原子力資料情報室・原水禁が協力して開いた会合で、核兵器の役割を核攻撃の抑止に限定することに反対する日本の政策がオバマ政権の「核態勢の見直し」に悪影響を与えていると説明。「被爆国日本」が核軍縮の障害になってはならない。「核態勢の見直し」の骨格は秋までに決まります。(ビデオ製作:ピースデポの中村桂子さん他)
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