2018年05月07日

日本が魅かれる核共有──NPTに違反と米科学者連合専門家

2009年に米議会委員会で証言した日本側の一人から、日本の不安を解消するには「ニュークリア・シェアリング(核共有)」しかないと聞かされたと米「憂慮する科学者連合(UCS)」のグレゴリー・カラキー氏が書いています(2010年3月の報告書(pdf))。カラキー氏は、秋葉剛男公使(現外務省事務次官)が米議会委員会に提出した文書やその関連文書を公開し、米国の「核態勢の見直し(NPR)」と日本の核政策の関係について注意を喚起した米中関係・核問題の専門家です。

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2018年04月30日

プルトニウム増大をもたらす再処理政策中止を 米専門家が訴え

プルトニウム問題の専門家プリンストン大学のフランク・フォンヒッペル名誉教授が4月20日、東京での講演で、日本は経済性の全くない再処理を止めるようにと訴えました。そして、使用済み燃料は、再処理によって核兵器の材料になりうるプルトニウムを取り出すのではなく、そのまま、プール貯蔵より安全な空気冷却の乾式貯蔵方式で最終処分場ができるまで保管するベきだと論じました。この時も紹介されましたが、日本でよくある議論は、敷地内・外の乾式貯蔵を許すと原発の延命に繋がるというものです。乾式貯蔵と再処理の両方を阻止すれば原発のプールは満杯になって原発が止まるという論理です。この論理の問題点は?

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2018年04月10日

「日米核コミュニティーのコンセンサス」と米議会委提出の外務省文書

2009年に開かれた米議会委員会の会合で秋葉剛男公使(現外務省事務次官)が提出した文書の内容がトランプ政権の「核態勢の見直し(NPR)」のそれと似通っているとして話題を呼んでいます。共同通信の太田昌克編集委員の英文記事によると政府関係者は同NPR「日米核コミュニティーのコンセンサス」と位置づけているとのことです。これが何を意味するのか。日本の核政策が米国の核政策に与えてきた影響について簡単にまとめてみました。

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2018年03月28日

「沖縄にカラの核貯蔵庫」案を容認?─日本が「それはいい」と安堵?

秋葉剛男外務省事務次官が在米日本大使館公使時代の2009年に沖縄での核貯蔵庫建設案を「容認」「肯定」したことが判明、外務省がこれを否定、しかし、というような報道が続いています。これは、オバマ・トランプ両政権の「核態勢の見直し」で紹介したオバマ政権の「核態勢見直し(NPR)」に関連した米議会委員会における日本側の見解説明を巡るものです。見出しだけだと、米国が核兵器の持ち込みを強く要請し、日本側が渋々「容認」「肯定」したという話だとの印象を持ってしまうかもしれません。しかし、問題は、米国の核削減の「悪影響」について日本側が懸念を表明した後でのやり取りという文脈です。

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2018年03月05日

オバマ、トランプ両政権の「核態勢の見直し」

2009年米議会委員会への日本側提出文書から見る米核政策の裏側
米NGOが入手──提出者は現外務次官

2月2日にトランプ政権が発表した「核態勢の見直し(NPR)」は、サイバー攻撃も含む核兵器以外の攻撃に対しても核で報復する可能性を強調し、核を使いやすくするために威力の小さな核弾頭の開発計画を打ち出すなど、核のない世界を目指すとしたオバマ政権が発表した2010年4月のものと比べ核廃絶の目標から大幅に後退するものとして注目されています。しかしオバマ政権も、米国及び同盟国に対する敵の核攻撃を抑止すること――そして、必要とあれば報復すること――を米国の核兵器の唯一の目的(役割)とすることを目指すとしながらも、結局「唯一の役割」宣言を出せずに終わりました。

この理由の一つが日本の核政策だと報じられています。二つのNPRの共通点と違いは?日本の政策との関係は?これらの疑問を解く一つのカギになる文書をこのほど米NGO「憂慮する科学者同盟(UCS)」が入手しました。2009年にオバマ政権のNPR作成の参考にするための報告書を作成していた米国議会委員会に日本が提出した文書です。

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2018年02月21日

原子力発電所新規制基準適合性審査状況とMOX利用

原子力委員会の滑稽な論議──プルトニウム利用についての表「原子力発電所新規制基準適合性審査状況とMOX利用炉」を改訂版(2017年12月末現在)に差し替えました。12月末の状況を反映しました。

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2018年02月17日

日米原子力協定の自動延長と反核運動

日本に再処理を認めた日米原子力協力協定が、今年7月16日に30年の効力期限を迎えます。両国とも通告をしないまま6か月前の1月16日が過ぎた時点で期限を定めない自動延長が確定しましたが、米国は、日本のプルトニウム使用計画については説明を求めるとのことです。今後も一方の国が6か月前までに文書で通告すれば協定を終了させたり、期限を定めた新協定の交渉を要求したりすることができます。

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2017年12月26日

岩波書店『科学』2018年1月号収録論文英語版掲載のお知らせ

岩波書店『科学』2018年1月号の「特集プルトニウムと再処理」に米プリンストン大学フランク・フォンヒッペル名誉教授と核情報主宰の共同論文の翻訳版「行き詰まるプルトニウム問題──米国と日本の40年」が収録されました。翻訳版で割愛した注を含む英文の元原稿を載せましたのでご活用いただければ幸いです。(スタイルなどの編集を経た英語版は米核問題専門誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ』に掲載されました。)なお、同特集には核情報主宰による論考「なおざりなプルトニウム管理──再処理委託先の英国で核兵器約3000発分が『放置』」も収録されています。

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2017年12月21日

核兵器発射ボタン─米上院で41年ぶり議論

昨年11月14日、米国上院外交委員会は大統領の核兵器発射命令に関する公聴会を開きました。この問題についての公聴会は41年ぶりのことです。次回選挙の不出馬を表明しているボブ・コーカー委員長(共和党)は、秋に「彼がしているようなコメントでは我々は第3次世界大戦に向かっていることになるかもしれない」とトランプ大統領の言動について懸念を表明していました。

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2017年12月05日

プルトニウム利用に関する原子力委員会のおかしな論議

原子力委員会が『日本のプルトニウム利用について【解説】』(案)(pdf)について議論した10月3日の定例会議の録音は英国BBC の風刺ドラマのようで、「一聴」に値します。映像がないのが残念ですが。

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2017年11月06日

日本の核配備禁止原則の危機─米「憂慮する科学者同盟(UCS)専門家の警告

先日掲載した非核三原則──持ち込ませずについての議論が必要?(2017.10.31)の追加資料として、今年4月に来日した「憂慮する科学者同盟(UCS)」の核問題専門家グレゴリー・カラキー博士の講演資料を掲載します。

  • 米国の核兵器をアジアに再配備する既存の計画とは。
  • トランプ大統領の当選により計画推進の可能性高まるか?
  • 開発中の核兵器が日本に貯蔵?寄港・通過する可能性は?
  • 以前に米国核兵器の日本への復帰を支持した安倍総理のアドバイザーらは?
  • 日本国民、米国国民は今、何をすべきか

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2017年10月31日

非核三原則の「持ち込ませず」についての議論が必要か?

石破茂元防衛相が9月6日のテレビ朝日の番組で、米国の核の傘で守ってもらいながら「持たず、つくらず、持ち込ませず、議論もせず」でいいのかと発言して論議を呼んでいます。これでは抑止力が弱まりはしないか、という問いかけです。一方、日本に対する核以外の攻撃に対しても核で報復するオプションを米国が維持することを望んできた日本が「持ち込ませず」と言うのは勝手すぎないか、とも問えます。日本は米国が「核を先には使わない」という「先制不使用政策」をとることに反対しているのです。

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2017年10月27日

もんじゅで突然出現、核兵器30発分の謎─去年国際的定義が変わったから?

原子力委員会事務局が8月1日に発表した『我が国のプルトニウムの管理状況』(pdf)(2016年末現在)で、高速増殖原型炉もんじゅ敷地内に存在するプルトニウムの量が前年と比べ251㎏増えました。2010年8月に装荷されながら、その直後の8月26日に起きた燃料交換用の炉内中継装置落下事故のために未照射のままになっていた燃料中のプルトニウムです。11年発表の『管理状況』(10年末の状況)で保有プルトニウムとして報告しておくべきだったのに、炉内にあるからと保有データから消してしまうミスを犯していたのです。今6年後の発表で「出現」した理由について、事務局は、日本を含む9ヵ国が1997年に策定した「『プルトニウム国際管理指針』改定に伴う定義の変更」のためだと説明をしていますが、「指針」の策定に関わった米国側代表は、元々定義は炉内にあっても未照射のものは当然保有プルトニウムとして報告するというものだったと述べています。

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2017年10月03日

大丈夫か? 原子力委員会の「日本のプルトニウム利用」解説─自らの歴史も知らないで

原子力委員会は9月26日の定例会議で、「日本のプルトニウム利用について」という文書を10月初旬に取りまとめ公表すると発表しました。同日配布された資料の冒頭に「1997年には国際原子力機関(IAEA)が『プルトニウム国際管理指針』を策定」とあります。実際は、「日本を含む9ヶ国がプルトニウム管理に関する指針を策定し、各参加国のプルトニウム保有量を毎年IAEAに共通の書式で報告することを1997年に決めた」というのが正解です。

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2017年08月29日

米国向けミサイルを日本から迎撃?─都市伝説2

北朝鮮の「人工衛星」発射問題や集団的自衛権の関係で、米国に向けたミサイルを日本は撃ち落とすべきか否かという議論がされてきました。第一次安倍政権時代の2007年、「技術的な問題は別として、仮に米国に向かうかもしれない弾道ミサイルをレーダーで捕捉した場合でも、我が国は迎撃できないという状況が生じてよいのか」という検討課題が「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)に与えられました。

首相辞任後の08年6月に出された同懇談報告書(pdf)も、第二次安倍政権で復活した懇談会による14年5月の報告書(pdf)も、集団的自衛権を容認する憲法解釈変更により迎撃を可能にすべきだというものでした。しかし、北朝鮮から発射された米国向けミサイルは「技術的な問題」により、現在の日本のシステムでは迎撃不能であるということがなぜかあまり知られていないようです。

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