2016年04月27日

使用済みMOX燃料の発生熱は問題ない?──経産省「夢」の第2再処理工場

4月21日、衆議院経済産業委員会における再処理法案に関する質疑の中で、経産省は、使用済み燃料から再処理で取り出したプルトニウムを通常の原子炉で燃やした際に出てくる使用済みウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の崩壊熱について「数年程度で十分に低くなる」から特別な扱いが必要になるということはない」と述べました。これはプール貯蔵を念頭に置いての発言でしょう。しかし、現時点では使用済みMOX燃料は一般に地下処分場に送られると見られており、使用済みウラン燃料と比べた発熱量の高さは大きな問題です。必要な処分場の容積を決めるのは、ゴミの体積ではなく、発熱量だからです。再処理で処分場の必要規模を縮小したつもりでも、そこに使用済みMOX燃料を入れることになれば、元の木阿弥、経産省の主張する廃棄物の「減容化」は意味をなさなくなります。

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2016年04月17日

G7外相広島宣言─長年「非人道性」を訴えてきた日本?─元は2010年再検討会議文書

G7外相会合広島宣言を巡る報道の中で、日本が以前から主張してきた「核兵器の非人道性」を核保有国の抵抗で引っ込めたとの説明がしばしば見られます。確かに、日本は1994年以来毎年国連総会に提出している核軍縮決議案の中に、「核兵器のあらゆる使用の悲惨な人道的結末に深い懸念を表明し」という文言を2010年から入れています。しかし、この文言は2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議の最終文書にある表現から来ています。そして、2010年の日本決議には米国が主要共同提案国となり、英仏ロも賛成票を投じています(中国は棄権)。2012年の日本決議では英国も共同提案国に加わりました。2014年まで英米仏は賛成、ロシアも2013年まで賛成という状況だったのです。

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2016年04月04日

再処理反対の立場を再度表明──核セキュリティー・サミットに合わせ米高官NHK単独会見

3月17日の上院外交委員会公聴会で日本の原子力発電所の使用済み燃料再処理計画について、経済性も合理性もなく、核拡散防止の観点から「すべての国がプルトニウム再処理の事業から撤退してくれれば、非常に嬉しい(happy=喜ばしい)」述べたトーマス・カントリーマン米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)が4月1日、核セキュリティーサミットに合わせたNHKとの単独インタビューで「不拡散の観点から言えば、どの国も再処理をしなければ、その方が喜ばしい」との立場を再度表明しました。

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2016年03月31日

核セキュリティー・サミットで再処理の無期限延期発表を──世界の核問題専門家・団体など安倍首相に書簡

3月28日、3月31日~4月1日米国ワシントンDCで開かれる核セキュリティ-・サミットを前に、世界の核問題専門家・団体などが安倍晋三総理大臣に「六ヶ所使用済み核燃料再処理工場運転の無期限延期を発表することにより、核セキュリティー・サミットに大きな貢献をするよう要請」する書簡を送りました。書簡は、前回のサミットで宣言された核兵器転用可能な「世界の分離済みプルトニウムの存在量を最小限にするという日米両国の目標に向かって進むため」には再処理でこれ以上プルトニウムを増やさないようにすることこそが重要と訴えています。書簡の署名約180筆の中にはノーベル平和賞受賞団体「核戦争防止医師会議(IPPNW)」も団体として名を連ねています。

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2016年03月30日

日本の核燃政策「懸念ない」と発言修正?──カントリーマン国務次官補、実は懸念を確認

3月17日の上院外交委員会の公聴会でトーマス・カントリーマン米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)が、再処理は経済性も合理性もなく、核拡散防止の観点から「全ての国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」と述べたことを翌日報じた読売新聞は、3月29日の記事で、「米高官が発言修正」と報じました。実は、日本が核武装するとは懸念していないが核不拡散・核セキュリティー・経済性の面での懸念があるから、日本政府及び日本国民にこれを明確に伝えていきたいとの発言でした。

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2016年03月25日

日本の再処理政策にいらだつ米国─核セキュリティー・サミットを前に

3月17日の上院外交委員会の公聴会でトーマス・カントリーマン米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)が日本の原子力発電所の使用済み燃料再処理計画について、経済性も合理性もなく、核拡散防止の観点から「全ての国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」と述べたことを読売・朝日両紙が報じました。朝日新聞は、この発言について、 菅義偉官房長官は18日の会見で、米政府から日本政府に懸念を伝えられたことは「全くない」と述べたと報じています。また、外務省幹部は「日本以上に厳格で透明性をもって管理をしている国はない」と反発したとのことです。

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2016年03月09日

元米政府高官ら軍事用余剰プルトニウム利用(MOX)計画中止要請第2弾

2月25日、対日政策に大きな影響力を持ち、駐日大使候補にもなったジョセフ・ナイ元国防次官補を含む13人の元エネルギー・国家安全保障関係米政府高官・専門家らが、米エネルギー省長官に対し、軍事用余剰プルトニウムをMOX燃料として処分する計画を中止するよう要請する書簡を送りました。彼らは昨年9月にも同様の書簡を出していました。今回の書簡は、オバマ大統領が2017年予算案でMOX燃料製造工場建設計画中止を発表した後、議会の計画擁護派が予算復活を目指して圧力を掛けているのを受けてのことです。六ヶ所再処理工場の運転開始計画や中国・韓国の再処理計画を止めるためには米国のMOX計画も止めるべきと主張です。

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2016年03月08日

幽霊船2隻、神戸港から3月8日と19日に出港、東海村へ

茨城県東海村の「高速炉臨界装置(FCA)」に警備体制の不十分な形で置かれている331kgのプルトニウムを米国に輸送すると見られる2隻の英国籍の船が3月4日神戸港に入港しました。諸情報を総合すると、パシフィック・イグレットは3月8日朝に、パシフック・ヘロンは3月19日に出港し、東海村施設近くの茨城港日立港区へ向かう予定です。

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2016年03月03日

「人工衛星」と称する事実上の長距離弾道ミサイル?─政府コピペのマスコミ表現と大本営発表の謎の2分間

北朝鮮は、2月7日、ロケット「光明星(クァンミョンソン)号」を打ち上げて地球観測衛星「光明星4号」を軌道に投入することに成功したと発表しました。ロケット打ち上げから約2時間後、米「統合宇宙運用センター(JSpOC)」は、二つの物体が軌道に乗っていると発表しました。人工衛星とロケットの3段目で、それぞれ「北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)」の識別番号41332と41333が与えられました。同日、日本政府は、内閣官房長官声明で「本日午前9時31分頃、北朝鮮が『人工衛星』と称する弾道ミサイルを発射した」と発表。マスコミ各社はほぼそのまま報じました。

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2016年03月01日

乾式貯蔵の方がより安全と田中原子力規制委員会委員長

2月3日の原子力規制委員会臨時会議で田中俊一委員長が「もうリラッキングなんていう考え方はやめるべきで、ドライキャスクに保管していく方がより安全だという、これは世界的にもそういうのが普通」との考えを九州電力の瓜生道明社長に改めて伝えました。2014年10月にも田中委員長と更田豊志委員長代理は同様の考えを伝えていました。昨年11月に九州電力が敷地内乾式貯蔵を検討していることを明らかにしたことについて、これを評価した格好です。

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2016年02月29日

MOX燃料価格ウランの燃料の9倍:朝日新聞─核情報のデータに付合

朝日新聞(2月28日)が「MOX燃料の価格、ウランの9倍 高浜原発で1本9億円」と報じました。財務省の貿易統計などから分かったとのことです。これを機会に、これまで核情報で紹介してきた資料を見直してみましょう。プルトニウムの取り扱いが難しいため、プルトニウムをただで貰っても、買ってきたウランを濃縮してもらって低濃縮ウランを作った方が安くつくというのが基本です。

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2016年02月16日

プルトニウム輸送船もう一隻が米国に到着

茨城県東海村の「高速炉臨界装置(FCA)」に警備体制の不十分な形で置かれている331kgのプルトニウムの輸送に使われる可能性のある船のうちの1隻と見られていたパシフィック・ニュークリア・トランスポート(PNTL)社運用のオーシャニック・ピンテイル(INS所有)が米国サウス・カロライナ州チャールストン港に入っていたことが2月15日(現地時間:14日22:22)に確認されました(その後停泊してから翌日出港)。SRS監視グループのトム・クレメンツはドイツとスイスのプルトニウムを近くのサバンナ・リバー核施設(SRS)で保管するために運んできたと推測します。積荷を降ろした後、それまで切られていた船舶自動識別装置(AIS)がオンになったということのようです。同社の4隻のうち他の2隻は2月6日にパナマ運河を通過して日本に向かっています。後の1隻(廃棄物輸送船)は神戸港に停泊中です。

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2016年02月10日

幽霊船二隻がパナマ運河通過─東海村の331kgのプルトニウム回収隠密行動と増産計画

茨城県東海村の「高速炉臨界装置(FCA)」に警備体制の不十分な形で置かれている331kgのプルトニウムを米国に輸送すると見られる2隻の英国籍の船が2月5日から6日にかけ、パナマ運河を通過しました。早ければ2月末にも日本に到着と見られています。パナマ運河に設けられたウエブカメラが恐らくは通過に合わせてすべて「故障」したため姿が見られませんでしたが、逆に、1月19日に英国のバロー港を出てから切られていた船舶自動識別装置(AIS)がオンに。このAIS情報により2隻の通過が確認されました。

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2016年02月09日

再処理の認可法人設立法案提出──見当外れのお題とシュールな答え

2月5日、再処理事業の実施主体として認可法人(使用済燃料再処理機構)を設立し、この法人に「再処理等に必要な資金を新設する認可法人に拠出することを原子力事業者に対して義務付ける「原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案」(再処理等拠出金法案)が閣議決定され、国会に提出されました。前日開かれた国会エネルギー調査会(準備会)第54回(2016年2月4日)「核燃料サイクル政策に柔軟性を〜再処理実施体制見直し法案を問う〜」でこの法案について「核情報」がコメントした際の資料を紹介します。

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2016年01月28日

再処理経済性問題英国専門家論文訳出

先に紹介した「核分裂性物質に関する国際パネル(IPFM)」の報告書『原子力計画におけるプルトニウムの分離──世界の民生用再処理の現状、問題点と今後の展望』(2015年7月)第10章「核変換」に加えて11章「経済性」を訳出し掲載しました。

再処理の永遠化を目指す「使用済燃料再処理機構」設立法案が国会に提出されようとしている今、示唆に富む論文です。主著者はゴードン・マッケロン(英国政府「放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)」の創設委員長[2003~2007年])。

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