2019年10月07日

「高速炉死んだ」仏報道─日本の再処理・高速炉計画は?

仏ルモンド紙が8月29日付電子版で、仏原子力庁(CEA)、第4世代原子炉の高速炉ASTRID(アストリッド)計画放棄と報じました。現行の予備計画完成作業は年内継続も、建設は短中期的に予定しておらず、25名編成の計画統括室もこの春閉鎖されたとのことです。日本政府は2016年12月に、プルトニウムを燃やしながら使った以上のプルトニウムを燃えないウラン(ウラン238)から生み出すナトリウム冷却「高速増殖炉」の原型炉もんじゅの放棄を決定した際に、ASTRIDなどの「データ蓄積等により、今後もんじゅを再開した場合と同様の知見の獲得を図る」としていました。その頼みの綱が、「要するに、ASTRIDは死んだ。もう資金もエネルギーも使わないということだ」(CEA関係者)となると、日本の再処理・高速(増殖)炉計画はどうなるのでしょうか?

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2019年08月23日

先制不使用政策実現ための行動の呼びかけ─米団体、8月6日に

米国「憂慮する科学者同盟(UCS)」は、8月6日、核兵器を先には使わないとの政策を米国が採用するように行動することを呼びかけるメールを発信しました。「広島を記念して:議会は、米国が核戦争を決して始めないようにしなければならない」と題されたメールがUCSのサポーターに求めているのは、今年1月30日に議会に提出された先制不使用(No First Use)法案を支持する議員を増やすことです。そして、2020年の大統領選挙に向けて、候補者らが先制不使用についての立場を明らかにするよう求めるキャンペーンを進めることです。以下、米国の平和運動の焦点の一つを示すものとして、呼びかけを訳出しました。

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2019年08月15日

INF条約、今日公式に死亡─米科学者連合(FAS)告知

「中距離核戦力(INF)」全廃条約が破棄されたのを受け、米科学者連合(FAS)のハンス・クリステンセンとマット・コルダが死亡告知記事を載せました。了解を得て訳出しました。

❝米ロ両国が『中距離核戦力条約(INF)』の下でのそれぞれの義務履行停止を発表してから6カ月、条約は今日、公式に死亡となった。米科学者連合(FAS)は、この歴史的かつ重要な条約の消滅をもたらしたロ米両政権による無責任な行動を強く糾弾する。❞

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2019年08月01日

米ロ核削減条約が完全消滅?

日本において核禁止条約についての関心が高まる一方、世界の核兵器の90%以上を保有する米ロの核戦力に関する条約がピンチです。両国の核兵器について法的拘束力を持つ制限が消滅する可能性が大きくなっています。そうなれば、1972年以来のことです。現在米ロ両国の間にある核削減関連条約は二つです。一つは、1987年「中距離核戦力(INF)」全廃条約。もう一つは、新「戦略兵器削減条約(START)」(2011年発効)です。前者は、2月に米国が破棄の意向をロシアに通告し、義務履行停止を発表、これにロシアも義務履行停止で応じ、6か月後の8月初めに失効予定です。後者は、2021年2月に失効します。5年間の延長が可能ですが、延長交渉は進んでいません。

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2019年06月27日

プルトニウム削減宣言の実態─原子力規制委での珍問答と説明責任

一年前の7月16日、米国起源の使用済み燃料を日本が再処理してプルトニウムを取り出すことを一括して認める日米原子力協力協定が30年の効力期限を迎えて、期限を定めない形で自動延長されました。これと前後して、7月3日に閣議決定されたエネルギー基本計画に「プルトニウム保有量の削減に取り組む」という文言が入り、7月31日に原子力委員会が発表した方針が、我が国は「プルトニウム保有量を減少させる。プルトニウム保有量は…現在の水準を超えることはない」と宣言しました。この「新方針」は、国際原子力機関(IAEA)の計算方法で核兵器約6000発分という日本のプルトニウム保有に懸念を抱く米国の圧力によってもたらされたと見られていますが、本当に六ヶ所再処理工場を運転しながら削減が可能なのか。「新方針」が、再処理政策正当化のためのこれまで通りの単なる宣言に終わってしまわない保証は? 以下、「新方針」が出てきた背景を概観し、問題点を確認した後、1990年代からの流れを略年表形式で整理します。そして、最後に関連資料を載せておきます。

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2019年06月12日

核兵器禁止条約受け入れと核戦争回避措置を要請──米国の州・自治体議会

米国の州や自治体の議会で、米国政府に核兵器禁止条約の受け入れと、核戦争防止のための緊急措置の実施を同時に要請する動きが広まりつつあります。これは、「社会的責任を考える医師の会(PSR)」と「憂慮する科学者同盟(UCS)」が2017年秋に構想した「瀬戸際からの生還:核戦争防止のコール(呼びかけ・要請)」というキャンペーンがもたらしたものです。条約に即座に署名し批准せよと迫るのではなく、考えとして受け入れるよう求め、それに加えて、核兵器の先制不使用を宣言したり、数分で核兵器を発射できる一触即発の警戒態勢を解除したりすることよって核戦争の可能性を小さくすることを要請しているのが特徴です。キャンペーンは、現在では反核・核軍縮・平和団体、宗教関連団体など200団体以上の支持を得ています。

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2019年05月31日

英米の再処理・MOX計画は停止─世界の流れに逆行する日本

昨年末から今年初めにかけて、日本の再処理・プルトニウム利用計画が世界の流れに逆行していることを示す大きな出来事がありました。世界の二つの商業用再処理工場のうちの一つ、英国のTHORP(ソープ:酸化物燃料再処理工場)の運転が終了したこと、そして、米国の軍事用余剰プルトニウムをウランと混ぜて混合酸化物(MOX)燃料にするためにサウス・カロライナ州サバンナリバー核施設で建設中だった工場の工事完全中止が確定したことです。

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2019年05月30日

高速炉開発の10年計画発表―夢破れてなお

もんじゅ廃炉決定2周年の2018年12月21日

ナトリウム冷却高速増殖炉の原型炉もんじゅが約20年間ほとんど動かないまま廃炉決定となってから2年目の昨年末、高速炉開発会議(議長:世耕弘成経済産業大臣)が今後10年程度の高速炉開発作業についての「戦略ロードマップ」案を発表し、それが原子力関係閣僚会議で決定されました。

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2019年05月29日

日本での議論の欠如を反映?日本の再処理政策を支持した米駐日大使

ワシントンD.C.の米国非営利団体「国家安全保障アーカイブ(NSA)」が2月12日、レーガン政権の初期の2年間(1981-82年)において日本のプルトニウム政策に関連した議論がどのようになされたかを示す文書類を公開しました。その中にカーター政権が任命し、レーガン政権でも続投が決まったマイク・マンスフィールド駐日大使がレーガン大統領とアレクサンダー・ヘイグ国務長官に宛てたものがあります。

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2019年04月28日

米ロの核軍拡競争へ?世界の核状況

4月29日から5月10日までニューヨークの国連ビルで「核不拡散条約(NPT)」2020年再検討会議準備委員会が開かれます。以下、その参考のために、世界的に定評のある「米国科学者連合(FAS)」の『世界の核戦力の状況』(2018年11月更新)のデータを見ておきましょう。ハンス・クリステンセンとロバート・スタン・ノリスが米国核専門誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(BAS)』の連載記事「ニュークリア・ノートブック」や「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」の年鑑で提供したデータを整理し、適宜更新しているものです(ノリスは、昨年10月、「自然資源防護協議会(NRDC)」時代以来31年間かかわってきたBAS誌連載記事共著者としての活動に終止符を打ちました)。

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2019年04月03日

崩れる再処理正当化―福井県知事、県内乾式貯蔵検討

関西電力の3つの原子力発電所を抱える福井県の西川一誠知事は、3月7日、知事選(4月7日投開票)に向けた政策発表の記者会見で、原子力発電所の使用済み燃料を空冷式の貯蔵容器に入れて敷地内を含む県内で保管する可能性も検討すると明らかにしました。これは、原発の貯蔵プールの空き容量不足のため再処理をするしかないとの議論の根拠を崩すものです。

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2018年12月13日

未臨界実験、トランプ政権の姿勢?

時事通信が、10月9日、「米国が昨年12月、西部ネバダ州で核爆発を伴わない臨界前核実験を行っていたことが9日、米エネルギー省国家核安全保障局(NNSA)の報告書で明らかになった」と報じ、各社が同様の内容で続きました。核の役割を拡大する政策を出したトランプ政権の姿勢と実験を結びつける報道がほとんどでしたが、実際はオバマ政権時代から計画されていたものでした。

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2018年12月11日

プルトニウム1.3トン増大―ふげんの使用済み燃料搬出で

10月26日、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、福井県敦賀市にある新型転換炉ふげん(廃炉作業中)にある使用済み燃料搬出について仏オラノ・サイクル社と準備契約を同25日に結んだと福井県および敦賀市に伝えました。各紙は、契約は4基のキャスク(輸送容器)製造と、これらを使った使用済み燃料集合体466体の搬出に関するもので、2023年頃搬出を開始し26年夏ごろに終了との内容と報じました。一方、オラノ社は11月15日、731体(核物質重量111トン)受け入れ準備契約と発表しました。数字が合わない理由は、機構の発表が東海再処理施設に保管されているふげんの使用済み燃料に触れていないからです。

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2018年09月30日

使用済みMOX燃料用の再処理工場はできるのか?─世耕経産大臣は国会に根拠を示せ

9月2~3日、共同通信配信の「MOX燃料の再処理断念 電力10社、核燃サイクル崩壊」「MOX燃料、再処理せず 電力10社が費用計上中止」との記事が各紙に掲載されました。これに対し、世耕弘成経済産業大臣は9月4日、次のようにツイートしています。「要約すると、共同『処理費用社内積立無くなった。再処理やめたのだ』経『違う。法改正で機構積立にした。その方が経営状態に拘わらず安定的に積立出来るから。政策変更していない』記事『社内積立無くなった→ MOX再処理やめた』いかに誤報かわかっていただけるでしょうか。」

再処理で取出したプルトニウムをウランと混ぜて混合酸化物(MOX)燃料として普通の原発で燃やすいわゆるプルサーマルの後に出てくる使用済みMOX燃料を再処理する工場ができるかどうかという話です。世耕大臣の主張が正しいか検討してみましょう。

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2018年09月11日

プルトニウム削減方針──英国残留の核兵器約3000発分は?

政府はプルトニウム削減を目指すというが、英国保管分約22トンについては触れてない。同国にはMOX工場がなくこれをMOX利用しようと思えばフランスに運んでMOX燃料にするしかない。だが英国は自身が抱える100トン以上の余剰プルトニウムとともに外国分を処分するゴミサービスを提案。実際にこれまで約8.5トンを引き受けている。古い虚構から新たな虚構へ? 検証の試み第10項にこの問題についての情報(海外プルトニウムの英国所有への移譲状況等)を追加しました。

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