核情報

2023.10. 2

高浜1・2号稼働で再稼働炉12基に──プルトニウム消費炉は4基のまま

関西電力の高浜1号及び2号が、それぞれ7月28日と9月15日に起動し、2011年の福島第一原子力発電所事故後の再稼働炉が12基になりました(発電再開は、それぞれ、8月2日と9月20日)。再稼働炉は、関電(計7基:高浜1~4号、大飯3・4号、美浜3号)、九州電力(計4基:玄海3・4号、仙台1・2号)、四国電力(1基:伊方3号)です。

このうち、プルトニウム・ウラン「混合酸化物MOX」燃料の使用許可を得ているのは、高浜3・4号、玄海3号、伊方3号の計4基です。これら4基のプルトニウムの使用可能量は、合計で平均約2トン/年です。2022年末現在、日本が保有している分離済みプルトニウムは、約45.1トン。電気事業連合会は、「2030年度までに、800トンU再処理時に回収される約6.6トンPutを消費できるよう年間利用量を段階的に引き上げていく」と主張していますが、これに根拠がないことは次の記事で指摘した通りです。

下の表にあるように、新規制基準適合性審査状況は、再稼働12基、合格(新規性基準に基づく設置許可)5基、審査中 10 基という状態です。合格のうち、MOX利用炉は島根2号と東海第二原発。前者は、2024年5月までに安全対策工事完了の計画、後者は、周辺自治体の避難計画の策定が終わっておらず、再稼働されるかどうか、されるとしても、いつになるのか不明という状態です。



出典 原子力発電所新規制基準適合性審査状況とMOX利用炉(改訂:2023年 9月20日現在 核情報)

参考:


 
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