核情報

2006.7.31

パキスタン、大型プルトニウム生産炉建設中?

7月24日、米国のNGO「科学・国際安全保障研究所(ISIS)」が商業衛星写真会社デジタル・グローブの衛星写真を分析した結果、パキスタンは既存のものより大型のプルトニウム生産炉を建設中と見られると発表しました。(pdf文書)

ISISは、中国をも巻き込む南アジアの核軍拡競争を阻止するために、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の締結を急ぐべきだと警告しています。

ISISは、詳細な情報が得られないため、確かなことは言えないとしながら、衛星写真などからつぎのように分析しています。

新しいプルトニウム生産炉

場所 フシャーブ(Khushab)核施設(地図)

建設開始 2000年3月

完成時期 現在のペースで行くと数年で完成可能
 建設はゆっくり進行。炉の部品または他の関連施設の能力の不足のためか。

炉型 重水減速

重水必要量 100−150トン

原子炉容器直径 5メートル

熱出力 1000メガワット

プルトニウム生産能力 200kg/年
 (フル出力で年間220日と想定)
  核兵器40−50発分/年 (4−5kg/発として計算)

*トリチウム(三重水素)の生産にも利用化 
 トリチウムは、ブースト型と呼ばれる原爆(水爆の引き金部分)で核分裂の効率を上げるのに使われる

写真1 2005年6月10日撮影

フシャーブ施設概観

写真2 2005年6月20日撮影

新しいプルトニウム生産炉(?)のクロースアップ

写真3 2006年4月2日撮影

 図2と同じ場所の最近の写真

印パ両国の核兵器保有量については、さまざまな推定があります。

参考


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