UCS(憂慮する科学者同盟)が緊急に出した声明です。
デービッド・ライト博士、UCSグローバルセキュリティ・プログラムの共同ディレクターによる声明
「今日ブッシュ大統領は、次の数年に初歩的なミサイル防衛システムを急いで配備する計画を発表した。かつて、アメリカは政治的な理由から、効果のないミサイル防衛システムを構築した: 1970年代初めにつくられた「セーフガード」というシステムである。当時できてすぐ後に、高価な技術でも現実の世界の攻撃に対しては、相変わらずアメリカは裸のままであることを認めて、システムをシャットダウンした。
「政府が今回その誤りをそれほど速く認めるかどうかは、誰にも分からない。しかし、このシステムが提供する防御は、30年前にあったのと同じくらいのまぼろしだ。
「ペンタゴンの役人は、試験区域上で「弾丸で弾丸を打つ」能力を、提案されたシステムのテストが実証したと注目する。すなわち、迎撃体で弾頭をたたくという事だ。しかしこれは、有効なミサイル防御を構築する重要なバリアーではなかったのだ。むずかしいのは弾頭を見つけることの方だ。
「重要な問題は、おとりや他の対抗手段だ──要するに弾頭を識別不能にするため、攻撃する側のとれる、また確かにとるだろう手段だ。中国はそのミサイルで対抗手段をテストしたと知られている。詳細な技術的な研究は、長距離のミサイルを建造することができるようなどんな国でも、比較的低レベルの技術の対抗手段をつくって、提案されている防御を破ることができることを示した。ある国がミサイルを建造して、その到達を確実にするそのようなステップを取らずに、アメリカに発射するだろう、と想定することは意味をなさない。
「筋書き通りの人工的なミサイル防衛のテストは、システムが現実的な攻撃にたいしてはたらく能力に関しては何も示さない。これらの初期の研究開発テストは、システムが現実の世界でどれくらい有効かという問題に取り組むようにはもともと意図されていない。
「さらに、ペンタゴンが、弾頭とおとりとを識別することを支援するために必要だろうと言った重要なセンサー(地上のXバンド・レーダーおよび低軌道宇宙空間配備赤外線システム(SBIRS-low・衛星センサー)は、現在のブッシュ政権の計画には含まれていない。
「私たちがここで見ているものは、またもや裸の王様の新しい衣装だ。ブッシュ政権は防衛政策の優先順位をまともなものにしなければならない。最優先すべきは、テロリストの手に核物質が渡らないよう努力することであって、選挙公約を満たすために、証明されていないテクノロジーを構築することではない。」
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関連リンク: UCSのMDテスト関連ページ 対抗手段のアニメーション(Related Linksの下のCountermeasures Videoをクリック・要RealVideo)