6月9日、国連安全保障理事会が、イランの核問題に関する追加制裁決議を採択しました。賛成12、反対2(ブラジル・トルコ)、棄権1(レバノン)。ブラジルとトルコは5月17日、イランがその原発用燃料レベルの濃縮ウラン(3.5%)1200kgをトルコに搬出する代わりに、医療用アイソトープの生産に使われている研究炉用の濃縮ウラン(約20%)燃料を1年以内に受け取るとのスワップ案でイランと合意していました。
背景については、IAEA、イラン問題報告書で核兵器計画に懸念表明核情報 2010.6.3 をご覧下さい。
国際原子力機関(IAEA)は、最新のイランに関する報告書(5月31日付け, pdf)の中で、イランは、1)2007年2月以来、濃縮度約3.5%の濃縮ウラン(六フッ化ウラン)を2427kg製造(このウランをさらに濃縮すれば約2発分の兵器級濃縮ウランができる)、2)この一部をパイロット・プラントに送り、2010年2月9日以降の運転で濃縮度20%弱の濃縮ウラン5.7kgを製造と発表しました。報告書はまた、IAEAは、核兵器研究が2004年以降も継続している可能性に懸念を抱いているとも述べています。