2013年9月国防省管轄下の軍用保有核数4804
4年間で削減された核弾頭数はわずか309
国名 | 戦略核 | 戦術核 | 予備/非配備 | 保有核 | 総数 |
ロシア | 1600 | 0 | 2700 | 4300 | 8000 |
米国 | 1920 | 184 | 2661 | 4765 | 7315 |
フランス | 290 | ─ | ? | 300 | 300 |
中国 | 0 | ? | 180 | 250 | 250 |
英国 | 160 | ─ | 65 | 225 | 225 |
イスラエル | 0 | ─ | 80 | 80 | 80 |
パキスタン | 0 | ─ | 100-120 | 100-120 | 100-120 |
インド | 0 | ─ | 90-110 | 90-110 | 90-110 |
北朝鮮 | 0 | ─ | <10 | <10 | <10 |
合計(概数) | 4000 | 180 | 6000 | 10100 | 16400 |
上の表は、FASのサイト(Status of World Nuclear Forces)にクリステンセンが載せているものです(2014年4月30日更新)。世界の核兵器は、実際に配備されているもののほか予備などを含む「軍用保有核」が約1万100発、退役して解体待ちのものを入れると、総数約1万6400発という推定です(米国が発表した2013年9月現在の米国の軍用保有核数は4804ですが、クリステンセンらはその後少数が退役し、現在4765と推定しています)。解体待ちの状態の退役核は、米国が約2500発、ロシアが約3700発です。米国は他に、核弾頭の芯の部分(プルトニウム・ピット)約2万個保管しています。
世界の「保有核」1万100発のうち、約4180発が運用状態にある「配備核」です。このうち、米ロ合わせて約1800発が数分で発射可能な「高い警戒態勢」(ハイ・アラート)状態に置かれていると、二人は見ます。両国の核兵器は、今も一触即発の状態にあるのです。英仏も、レベルは下がりますが、短時間で使用可能な状態の核兵器を維持しています。この4ヶ国を合わせると2000発近くになるこの範疇の核弾頭をなくすことが重要です。
出典 US Nuclear Weapons Stockpile Number Declassified: Only 309 Warheads Cut By Obama Administration(FAS)April 29, 2014
参考
- Fact Sheet: Transparency in the U.S. Nuclear Weapons Stockpile (pdf) 米国政府 2014年4月29日
- Fact Sheet: Increasing Transparency in the U.S. Nuclear Weapons Stockpile (pdf) 米国政府2010年5月3日
米国、核兵器データ公表──国防省管轄の保有核は5113発 核情報 2010年5月10日
2014年4月29日国務省発表ファクトシート(pdf) 全訳
参考:2010年版
2014年4月29日
ファクトシート
米国保有核兵器透明性米国は、米国保有の核兵器に関する新たな機密解除情報を公表する。これは、2010年に公表された情報をアップデートするものである。世界に存在する核兵器に関する透明性の拡大は、核不拡散条約(NPT)の下におけるコミットメントを含む核不拡散努力や、配備・非配備、戦略・非戦略のすべての核兵器の更なる削減の追求にとって重要である。
保有核(Stockpile)
2013年9月現在、米国の保有核兵器は、4804個の核弾頭からなっている。この数は、1967会計年度末[1967年9月30日]の保有核兵器のピーク(3万1255)と比べると85%削減されており、1989年末にベルリンの壁が崩壊した時のレベル(2万2217)と比べると78%の削減となっている。下のグラフは、1945年から2013年9月30日の期間の米国の保有核の量を示している。
核弾頭の解体
1994会計年度から2013会計年度までの間に、米国は9952個の核弾頭を解体した。2009年9月30日以来、米国は1204個の核弾頭を解体した。この他数千の核兵器が退役して解体を待っている。
非戦略核兵器
米国の非戦略核兵器の数は、1991年9月30日以来、約90%減少した。
原注:退役となり解体を待っている核弾頭は含まない
保有核数 会計年度末1962─2013年(9月30日)
1962年以前のデータは、エネルギー省が1993年に公表1962 25,540 1988 23,205 1963 28,133 1989 22,217 1964 29,463 1990 21,392 1965 31,139 1991 19,008 1966 31,175 1992 13,708 1967 31,255 1993 11,511 1968 29,561 1994 10,979 1969 27,552 1995 10,904 1970 26,008 1996 11,011 1971 25,830 1997 10,903 1972 26,516 1998 10,732 1973 27,835 1999 10,685 1974 28,537 2000 10,577 1975 27,519 2001 10,526 1976 25,914 2002 10,457 1977 25,542 2003 10,027 1978 24,418 2004 8,570 1979 24,138 2005 8,360 1980 24,104 2006 7,853 1981 23,208 2007 5,709 1982 22,886 2008 5,273 1983 23,305 2009 5,113 1984 23,459 2010 5,066 1985 23,368 2011 4,897 1986 23,317 2012 4,881 1987 23,575 2013 4,804
エネルギー省による核弾頭解体
(会計年度1994─2013年)1994 1,369 1995 1,393 1996 1,064 1997 498 1998 1,062 1999 206 2000 158 2001 144 2002 344 2003 222 2004 206 2005 280 2006 253 2007 545 2008 648 2009 356 2010 352 2011 305 2012 308 2013 239 解体数合計 9,952 訳注:以前のデータ公表(英文)はこちら: Declassification of Certain Characteristics of the United States Nuclear Weapon Stockpileまたはスタンフォード大サイトのコピー
とこちら: Declassified Stockpile Data 1945 to 1994またはスタンフォード大サイトのコピー
上の表の見やすいバージョンはこちらDOE Facts - Declassification of Certain Characteristics of the United States Nuclear Weapon Stockpile
(下に表を訳出)定義
「保有核(stockpile)」には、「現用(active)」と「非現用(inactive)」の両種の弾頭が含まれる。現用核弾頭には、使用できる状態に維持された「運用態勢(operational)」の戦略及び非戦略核兵器、短期の時間枠で配備されうる状態の核弾頭、それに補給スペアが入る。これらの核弾頭には、トリチウム・ボトル(訳注)その他の「限定的寿命部品(LLC=Limited Life Components)」が入っている。非現用の核弾頭は、貯蔵所に置かれ、「非運用態勢(non-operational)」で維持されており、そのトリチウム・ボトルは取り外されている。
「退役(retired)」核弾頭は、その運搬プラットフォームから外され、「機能状態(functional)」ではなく、保有核の一部とは見なされない。解体待ちの核兵器は、全核弾頭数の相当部分を占め、新START条約が実施され、また、不必要な核弾頭が退役するに従い増えていく。
解体済み核弾頭は、部品に分解された核弾頭である。
訳注:
トリチウムは、ブースト型と呼ばれる原爆(水爆の引き金部分)で核分裂の効率を上げるのに使われる。トリチウムは、起爆の際にボトルから中空のプルトニウムの中心部に注入される。トリチウムは約12年半の半減期で減少するので、定期的にボトルの取り替えが必要。次を参照:水爆開発から核実験へ
参考: 米国の保有核データ 1945-1994(94年6月発表)
機密解除の保有核データ 1945-1994
総量は、1945-1961年のものである。1945-1948年の総量は、すでに機密解除となっていた。1961年以後の総量はまだ機密である。なぜなら、1962年以後に導入された兵器システムの中には、まだ現在の保有核に入っているものがあるからである。
下に示してある製造数は、すでに完全に退役となったものの年次製造総数でる。これは、米国の核兵器製造量の一部をなす。現在も保有核(ストックパイル)に入っている核兵器の年次製造量は機密のままとなっている。
1984年の1989年の退役速度は、実際に退役となった核兵器の数をよりよく反映するために、ストックパイル・メモランダムの退役数から調整している。下に示した退役数は、転換、改良、あるいは解体処分用に退役した核兵器を反映している。退役数で重要なのはは、退役と言う言葉をどう定義するかという点である。
下に示す分解数は、実際の処分のために解体された数だけを反映している。エネルギー省が別の所で公表した生の数値は、通常、もっと大きくなっているが、これは核兵器が分解された回数を反映したもので、処分・廃止のための分解とは限らない。例えば、修理目的で核兵器を分解して一部を取り替えた後、ストックパイルに戻すこともある。処分のための分解に関する1980年までの記録は、直ちには得られないが、可能であれば将来提供されるだろう。
年 総数 メガトン 製造 退役 分解 1945 2 0.04 2 0 0 1946 9 0.18 7 0 0 1947 13 0.26 4 0 0 1948 50 1.25 43 6 0 1949 170 4.19 123 3 0 1950 299 9.53 264 135 0 1951 438 35.25 284 145 0 1952 841 49.95 644 241 0 1953 1,169 72.80 345 17 0 1954 1,703 339.01 535 1 0 1955 2,422 2,879.99 806 37 0 1956 3,692 9,188.65 1,379 109 0 1957 5,543 17,545.86 2,232 381 0 1958 7,345 17,303.54 2,619 817 0 1959 12,298 19,054.62 7,088 2,135 0 1960 18,638 20,491.17 7,178 838 0 1961 22,229 10,947.71 5,162 1,571 0 1962 機密 12,825.02 4,529 766 0 1963 機密 15,977.17 3,185 830 0 1964 機密 16,943.97 3,493 2,534 0 1965 機密 15,152.50 3,519 1,936 0 1966 機密 14,037.46 2,429 2,357 0 1967 機密 12,786.17 1,693 1,649 0 1968 機密 11,837.65 536 2,194 0 1969 機密 11,714.44 684 3,045 0 1970 機密 9,695.20 219 1,936 0 1971 機密 8,584.40 1,073 1,347 0 1972 機密 8,531.51 1,546 1,541 0 1973 機密 8,452.00 1,171 544 0 1974 機密 8,325.22 959 807 0 1975 機密 7,368.38 748 2,240 0 1976 機密 5,935.51 427 2,181 0 1977 機密 5,845.0 221 998 0 1978 機密 5,721.16 50 1,148 0 1979 機密 5,696.34 170 730 0 1980 機密 5,618.86 0 904 732 1981 機密 5,382.91 30 1,887 1,577 1982 機密 5,358.89 338 1,537 1,535 1983 機密 5,232.47 217 749 1,120 1984 機密 5,192.20 187 1,143 994 1985 機密 5,217.48 195 1,322 1,075 1986 機密 5,414.54 140 1,224 1,015 1987 機密 4,882.14 0 958 1,189 1988 機密 4,789.77 0 1,023 581 1989 機密 4,743.34 0 1,794 1,208 1990 機密 4,518.91 0 0 1,154 1991 機密 3,795.94 0 0 1,595 1992 機密 3,167.88 0 0 1,856 1993 機密 2,647.31 0 0 1,556 1994 機密 2,375.30 0 0 926(4月まで)