核情報

2010.4.8

米ソ(ロ)戦略兵器制限・削減条約一覧


米ソ(ロ)戦略核兵器制限・削減条約
 SALT I SALT IISTART ISTART IISTART IIISORT新 START
状態失効発効せず失効発効せず交渉にいたらず発効済み 
配備弾頭上限該当せず該当せず60003000-35002000-250022001550 ただし、核搭載可能爆撃機は各1発搭載と計算する新ルール(実際は6-20発搭載可)
配備運搬手段上限米国:ICBM及び SLBM 1710
ソ連: 2347
22501600該当せず該当せず該当せず700; 非配備を入れると計800
署名日1972年5月26日1979年6月18日1991年7月31日1993年1月3日該当せず2002年5月24日2010年4月8日
米国での批准日1972年8月3日該当せず1992年10月1日1996年1月26日該当せず2003年3月6日 
米国での批准投票88-2該当せず93-687-4該当せず95-0 
発効日1972年10月3日該当せず1994年12月5日該当せず該当せず2003年1月6日 
実施期限該当せず該当せずDec. 5, 2001該当せず該当せず2012年12月31日発効から7年後
失効日1977年10月3日該当せず2009年12月5日該当せず該当せず2012年12月31日または新START発効日発効から10年後(最大5年間の延長可)

出典:米軍備管理協会(ACA) U.S.-Russian Nuclear Arms Control Agreements at a Glance に加筆


米ソ(ロ)戦略核制限・削減条約の経緯

SALT I 第1次戦略兵器制限条約(暫定協定)
 
1972年5月
締結(ABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約と同時) 10月発効(有効期間5年)
ICBMとSLBMの発射台の凍結
SALT II 第2次戦略兵器制限条約 
 
1979年6月
署名 発効せず
戦略核兵器の運搬手段の上限を2400(後に2250)に(ほぼ現状維持)
STARTI 第1次戦略兵器削減条約 
 
1991年
締結 1994年発効 2009年12月5日失効
(2001年12月5日削減終了。)
配備戦略核を7年間で1万発以上から約6000発に。詳細な検証規定。
START II 第2次戦略兵器削減条約
 
1993年
締結 消滅
2003年1月1日までに3000〜35000発に削減
(1997年3月のヘルシンキ・サミットで期限を2007年末に変更)
複数目標多弾頭搭載(MIRV化)ICBMの撤廃
START III 第3次戦略兵器削減条約
 
1997年3月
ヘルシンキ・サミットで合意  未締結
START1実施期限と同じ2007年末までに2000〜2500発に削減。核弾頭廃棄についても交渉の予定だった。
SORT 攻撃的核戦力削減条約(モスクワ条約)
 
2002年5月24日
締結 2003年6月1日発効
2012年末までに1700〜2200発に削減。同日失効(新STARTが発効すればその時点で失効)。
検証規定なし。
米国側が、保守点検中の潜水艦用の弾頭などは数えず、実際に配備(operationally deployed)中の弾頭だけを数えると宣言。戦略爆撃機の場合は、実際に搭載されているものと戦略爆撃機基地内の弾頭を数える。
新START(プラハ条約)
 
2010年4月8日
締結
配備核弾頭をそれぞれ1550に削減
 ただし、核搭載可能爆撃機は各1発搭載と計算する新ルール(実際は1機に6-20発搭載可)
運搬手段上限700。保守点検中の潜水艦の発射管などを含めた非配備の発射装置を含めた上限800。

注: この方式を使うと、2010年初頭現在の米ロの戦略核は、それぞれ次のように減ると米国科学者連合(FAS)のハンス・クリステンセンが指摘している。
 米国 2100=>1650       ロシア 2600=>1740


参考


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