ウイリアム・ヘイグ外相は、5月26日、英国議会に対し、英国の核弾頭の総数は225を超えない、運用可能状態の核弾頭を最大160発維持する、と発表しました。160という数字は以前に発表していました。外相の発表を報じた英国外務省のサイトの『最新ニュース』は、残りの核弾頭は、「定期的な処理、保守点検、ロジスティック管理を行い、運用可能状態の核弾頭の数を必要なレベルで維持するために必要なものだ」と説明しています。
英国政府は、内訳を明らかにしていませんが、米国科学者連合(FAS)ハンス・クリステンセンは、次のように推定・整理しています。
核弾頭のカテゴリー | 核弾頭の数 |
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運用可能状態の核弾頭 | 160 |
現用配備 | 48 |
現用予備 | 96 |
スペア | 16 |
非運用可能状態予備 | 65 |
保有核合計 | 225 |
こういう解釈です。
英国は弾道ミサイル搭載戦略原子力潜水艦を4隻保有。1隻当たり、16基のトライデントUSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)が搭載可能。従って、50基のSLBMのうち、3隻の運用可能な戦略原子力潜水艦に配備できるのは、48基のみ。4隻目は、補修状態に置かれるので計算に入らない。ミサイル1基当たり3発の核弾頭が搭載可能なので、最大48x3=144発が運用可能状態に置かれている。これに、スペアの16を合わせて、160。今回、非運用状態のものが、この他に65発あることが明らかにされた。
英国核戦力 2007年1月にあるとおり、実際に常時パトロール(哨戒)に出ているのは、1隻のみ。これに搭載可能な核弾頭の最大数は、16 x 3=48。