1994 | 1369 |
1995 | 1393 |
1996 | 1064 |
1997 | 498 |
1998 | 1062 |
1999 | 206 |
2000 | 158 |
2001 | 144 |
2002 | 344 |
2003 | 222 |
2004 | 206 |
2005 | 280 |
2006 | 253 |
2007 | 545 |
2008 | 648 |
2009 | 356 |
2010 | 352 |
2011 | 305 |
2012 | 308 |
2013 | 239 |
2014 | 299 |
解体数合計 | 10251 |
2014年9月国防省管轄下の軍用保有核数 4717発
オバマ政権での削減数はわずか500ほど
4月27日から5月22日までニューヨークの国連本部で開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議の初日の演説で、ジョン・ケリー米国務長官は、米国の核兵器について新しいデータを発表しました。2014年9月時点の核弾頭数は、予備なども合わせて、4717発、この他約2500発が解体待ちというものです。同長官はさらに、この20年間で1万251発を解体したことも明らかにし、2009年9月までに退役したものは2022年までに解体すると述べています。
国名 | 戦略核 | 戦術核 | 予備 / 非配備 | 保有核 | 総数 |
---|---|---|---|---|---|
ロシア | 1780 | 0 | 2720 | 4500 | 7500 |
米国 | 1900 | 180 | 2620 | 4700 | 7200 |
フランス | 290 | ─ | 10 | 300 | 300 |
中国 | 0 | ─ | 250 | 250 | 250 |
英国 | 150 | ─ | 65 | 215 | 215 |
イスラエル | 0 | ─ | 80 | 80 | 80 |
パキスタン | 0 | ─ | 100 -120 | 100 -120 | 100 -120 |
インド | 0 | ─ | 90 -110 | 90 -110 | 90 -110 |
北朝鮮 | ─ | < 10 | < 10 | < 10 | |
合計(概数) | 4120 | 180 | 6000 | 10300 | 15700 |
表1は、「米科学者連合(FAS)」のクリステンセンが新しい数字を反映させてブログに載せた世界の核兵器データ(2015年4月28日アップデート)です。米国の数字が4700となっているのは、昨年9月以降退役になったと推定されるものを加味しているからです。約2500発の解体待ち弾頭を加えた合計7200発が米国の総数となります。この他に核兵器のプルトニウムの芯の部分「ピット」約2万個がテキサス州パンテックスの核弾頭組立・分解施設で保管されています。
数分で発射可能な「高い警戒態勢」(ハイアラート)状態に置かれているものが米ロ合わせて約1800発という状況です。
下の図は、クリステンセンと「天然資源防護協議会(NRDC)」のロバート・ノリスがが2013年に作成した表に米政府が2014年4月29日に公表した数字と、2人の2014年と2015年(14年末)のデータを挿入して作ったものです(棒グラフの先端のシミのようなのが米ロ以外の国のものです)。世界の軍事用保有核数の減り方の鈍化が見えます。
米国が2014年4月29日に発表したグラフを「米国、2014年4月29日、核兵器数発表」で紹介しましたが、そのグラフに最新のデータを入れたのが図1です。冷戦後減って来ていますが、オバマ政権での削減数はわずか500発ほどです。
遅れる余剰プルトニウム処分─増え続ける民生用
図2は、世界の軍事用プルトニウムと民生用プルトニウムの量の推移を表しています。「国際核分裂性物質パネル(IPFM)」が5月8日、国連本部の会議室でカナダ政府と共に開いた説明会で発表したデータ(pdf)を処理したものです(フランク・フォンヒッペルIPFM前共同議長が6月19日の東京での記者会見で使用)。
冷戦後の米ロの核削減に合わせて核兵器の解体が進み、そのプルトニウムが何らかの形で処分されていれば図2の軍事用部分も図1に似たようなカーブで減っているはずですが、グラフは処分が進んでいないことを示しています。米国が核兵器用余剰プルトニウムの処分に手を焼いている一方で、世界の民生用プルトニウムの量は増え続け、総量約500トンの半分以上が民生用となっています。
民生用約260トンの内分けは、英国100トン、フランス60トン、ロシア50トン、日本47トン、日本以外の非核保有国合わせて5トンとIPFMは推定しています(Alternatives to MOX)(pdf)
非核兵器国で唯一の工業規模の六ヶ所再処理工場が動き出せば、年間8トン(核兵器1000発分)もの割合で日本の量が増え続ける可能性があります(フォンヒッペルが上記記者会見で使用した下のグラフ参照)。」
フォンヒッペル記者会見発表資料(11ページ目を上に表示)