核情報

2012. 2. 9

民主党「原子力バックエンド問題勉強会」六ヶ所凍結を提言

民主党の有志議員約70人からなる「原子力バックエンド問題勉強会」(会長・馬淵澄夫元国土交通相)が、核燃サイクル路線は実質的に破綻しているとし、六ヶ所再処理工場を凍結して、使用済み燃料を乾式貯蔵する方針をとるよう政府に要請する第一次提言をまとめ、2月7日、藤村修官房長官に届けました。8日には、文部科学相、9日に環境相、10日に古川内閣府特命担当大臣に提出というスケジュールです。


提言は、また、原子力委員会における原子力政策大綱の見直しについて、「原子力委員会の構成や事務局体制が3.11以前と変わっていないことから従来路線の踏襲となりがちであり、バックエンド問題についても、ゼロからの見直しは期待しにくいことに留意する必要がある」とし、「原子力委員会についても、その存続も含めて見直す」ことを提言しています。

事務局長の石井登志郎議員がそのホームページに載せた文章のタイトル「止まらぬ核燃サイクル列車を、まず一度凍結する英断を!」が提言の中身を簡潔に言い表しています。

石井議員は続けて

原子力政策、特に核燃サイクル政策は、その負担や不安を引き受けることになった自治体との関係や、核燃サイクルはうまいこといくはずだとの「フィクション」に向けて一直線に進んできた政策が錦の御旗となってきたために、変える労力があまりに膨大で、幾度も変更や計画延期が繰り返されながらも、突っ走ってきた現実があります。要は、都合のいい理想のみ取り上げて、現実に目をそむけながら、ただ進んできた、とも言えなくはないこの国策は、単に核燃サイクルに限らず、我が国の政治行政に通じる悪い典型パターンとも言えます。・・・都合が悪いことでも、素直に国民に開示し、仮にベスト解が見つかっていなくても、その状況を含めて国民の皆さんと共有する、そして一緒にリスクも果実も想定しながら、ベターな解を探る、これが本来の政治の姿だと思います。

と述べています。

石井議員のいう「本来の政治の姿」を民主党が示せるかどうか。また、無意味に核兵器利用可能物質プルトニウムの生産を続ける日本の現状を変えるのに反核兵器運動が力を発揮できるかどうか。いよいよ正念場を迎えています。

参考

  • バックエンド問題勉強会第11回会合(2011年12月16日)
    アリソン・マクファーレン プレゼンテーション資料(右に簡易表示)
    「米国の核の将来に関するブルーリボン委員会」メンバー
  • バックエンド問題勉強会勉強会第12回会合(2012年1月20日)
    フランク・フォンヒッペル プレゼンテーション資料
    プリンストン大学公共・国際問題教授 核分裂性物質に関する国際パネル共同議長
  • ゴードン・トンプソン プレゼンテーション資料
    資源・安全保障問題研究所(IRSS:マサチューセッツ州ケンブリッジ市)所長。
    クラーク大学ジョージ・パーキンズ・マーシュ研究所(マサチューセッツ州ウスター市)上級研究員。

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