2014年02月23日

核使用を極限の状況に限定と岸田外相─ 米「核態勢の見直し」の焼き直し?

岸田文雄外相が1月20日に長崎での講演で、核兵器の使用を極限の状況に限定すべきだと述べました。これに対し、核戦争を認めるのかという声と、使用を限定するべきとしたことを評価する声とがあります。『核兵器非人道性声明に日本署名──「拡大抑止政策と整合」と説明する政府』で見たとおり、日本政府は、生物・化学兵器及び大量の通常兵器による日本に対する攻撃に対しても、核兵器で報復する「先制使用」のオプションを米国が維持することを望むとの立場を表明してきており、それが署名で変わったのではありません。

北朝鮮の脅威を強調しながら「『核兵器のない世界』の実現に向けて国際社会の取組を主導していく」と主張した今回の講演は、良くも悪くもこの点での日本政府の政策が変わっていないことを示しているようです。講演の核使用に関わる部分(◆)(順不同)と、米国が2010年4月に発表した「核態勢の見直し(NPR)」の関連部分(〇)を比べて見ると、両者の関係が浮かび上がってきます。

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投稿者 kano : 13:13

2014年02月13日

濃縮・再処理を「認める」文言の日・トルコ協定─問題は文言?日本の再処理政策?

1月24日に始まった通常国会で審議予定の二つの原子力協力協定のうち、トルコとのものが核兵器の製造に繋がるウラン濃縮及び使用済み燃料再処理を認める内容だとして問題になっています。核兵器5000発分以上に当たる44トンのプルトニウムを蓄積し、さらに年間約8トンのプルトニウム分離能力を持つ六ヶ所再処理工場の運転を始めようとする日本が、相手国に再処理の権利の放棄を求める「論理」についても議論すべきです。

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投稿者 kano : 16:26