石破茂元防衛相が9月6日のテレビ朝日の番組で、米国の核の傘で守ってもらいながら「持たず、つくらず、持ち込ませず、議論もせず」でいいのかと発言して論議を呼んでいます。これでは抑止力が弱まりはしないか、という問いかけです。一方、日本に対する核以外の攻撃に対しても核で報復するオプションを米国が維持することを望んできた日本が「持ち込ませず」と言うのは勝手すぎないか、とも問えます。日本は米国が「核を先には使わない」という「先制不使用政策」をとることに反対しているのです。
原子力委員会事務局が8月1日に発表した『我が国のプルトニウムの管理状況』(pdf)(2016年末現在)で、高速増殖原型炉もんじゅ敷地内に存在するプルトニウムの量が前年と比べ251㎏増えました。2010年8月に装荷されながら、その直後の8月26日に起きた燃料交換用の炉内中継装置落下事故のために未照射のままになっていた燃料中のプルトニウムです。11年発表の『管理状況』(10年末の状況)で保有プルトニウムとして報告しておくべきだったのに、炉内にあるからと保有データから消してしまうミスを犯していたのです。今6年後の発表で「出現」した理由について、事務局は、日本を含む9ヵ国が1997年に策定した「『プルトニウム国際管理指針』改定に伴う定義の変更」のためだと説明をしていますが、「指針」の策定に関わった米国側代表は、元々定義は炉内にあっても未照射のものは当然保有プルトニウムとして報告するというものだったと述べています。