核情報

2015. 6.30

昨年、英国で関電プルトニウム割当て量0.2トン増
──株主総会で発表 割当ては2018年度まで継続

6月25日に開催された関西電力の株主総会に参加した株主によると、同社は、事前質問に対する一括回答の形で、英国保管プルトニウムの同社への割当て量は、2013年度に0.6トン、2014年度に0.2トン増加し、割当ては、2018年度まで継続されると明らかにしたとのことです。

参考


日本のプルトニウム、英国で急増の怪──データの透明化、六ヶ所再処理工場の運転開始計画の中止を(2015年3月27日)で述べたとおり、英国側の記録から日本の軽水炉の使用済み燃料のTHORP工場(酸化物燃料再処理工場)での再処理は2004年9月に終わっていることが分かっています(東海第一原子力発電所の特殊な使用済み燃料のB205施設での再処理が終わったのは2006年1月です)が、顧客へのプルトニウムの「割当て」は物理的再処理の時期とは関係なく行われるため、2013年に日本に対する割当て量が2.3と追加がされました。ところが、2014年9月16日の原子力委員会定例会議(議事録PDF)でこの数字を発表した同委員会事務局(内閣府原子力政策担当室)の説明は不十分で、委員らは誤解をしたままであることが議事録から分かります。

政府は、2.3トンの増加についての明確な説明と残り1トンの割当てについての公表を

さらに、阿部知子議員事務所を通じた事務局との複数回のやり取りの結果、英国では日本分の割当て量がさらに約1トン残っていることが判明していますが(2014年11月13日回答)、政府は未だにこのことを公表していません。

関電が株主総会でこのような数字を発表したということは、各電力会社や電気事業連合会に問い合わせれば、今年9月に内閣府が原子力委員会の会議で発表する予定の英国における日本のプルトニウム保管量(2014年末)のデータが把握できることになります。株主総会で同じような情報を明らかにしたところもあったのかもしれません。

特殊な状態の使用済み燃料の「バーチャル」再処理

関電は、また2013年度に英国で同社の使用済み燃料が1トン再処理され、これで英国における同社の使用済み燃料の再処理は終了、支払いも終了したとも発表しました。

3月27日の記事に載せた背景説明資料(11ページ)にあるとおり、英国原子力廃止措置機関(NDA)クライブ・ニクソン戦略マネージャーは、2014年11月20日、英国再処理工場地元団体COREのマーティン・フォーウッド代表との面談で、“標準的な”日本の軽水炉燃料の再処理は2004年に終了したが、セラフィールドで「照射後試験(PIE=Post Irradiation Examination)」した日本の燃料がごく少量あり、その形態が「難しい」ため、THORPでの再処理工程を通すのではなく、バーチャル再処理される予定と述べていました。

バーチャル再処理は、実際には再処理をせず、電力会社に当該使用済み燃料に含まれるのと等価量の放射能を含む廃棄物と、等価量のプルトニウムを割り当てるというものです。

英国政府が「バーチャル再処理」方式を正式に承認したのは2014年10月16日に出されたGovernment response to consultationーManagement of Overseas Origin Nuclear Fuels Held in the UK (pdf)という文書においてです。文書は次のように述べています。

英国に残っている少量の外国起源の使用済み燃料を再処理オペレーションが終わるまでに再処理することが経済的でない、あるいは、可能でない場合には、別のオプションによってこれらの物質を管理することを許可されるべきだとする「核廃止措置機関(NDA)」の提案に英国政府は同意する。この別のオプションは、処分まで中間貯蔵することによものとすべきで、必要な場合には英国側所有に移行するものとする。

この決定により、NDAは残っている外国との契約を効率的かつタイムリーな形で終了することができる。なぜなら、時間が経てば、これらの燃料を扱うはずだった元の施設は閉鎖されるか、相当のインフラ投資がない限り、その使用可能な耐用期間にまもなく達するからである。

提案の一環として、とりわけ、英国が核廃棄物の純輸入国とならないように保証するため、NDAは、「バーチャル再処理」を実施する。これは、照射済み燃料が再処理されたかのように、放射能面で等価の廃棄物が顧客に割り当てられ、変換されるものとする。

これは、安全性を脅かしはしない。保管される燃料は英国の原子力プログラムから生じる非常に似かよった燃料とともに管理される。

この決定の前の2013年の関西電力の使用済み燃料1トンの再処理がこの「バーチャル再処理」なのかどうかは確認できていません。

株主総会で挙手による「この1トンはバーチャル再処理なのか」との質問には、関電は、一括回答と同じ回答を丁寧に繰り返しただけと言います。

NDAによると、PIEは「燃料製造業者や電力会社に、新開発材料あるいは既存の材料が新しい環境下における通常の運転状況にどう耐えるかに関する情報を提供する。PIEは、主として、照射済み燃料棒の受け入れ・取り扱いの可能な「ホット・セル実験所(HCL)」で実施される。調査結果は、燃料改善のための情報を提供し、それにより、運転効率・信頼性を高める可能性を持つ」とのことです。

2015年1月9日英国エネルギー・気候変動省がNGOに対して提示したデータによると、日本から英国の送られた4185.15トンの使用済み燃料の内、4183.46トンの再処理が終了し、未処理のまま残っているのは、1.69トンです。これに含まれるプルトニウムの量は10kg前後でしょう。

DECC回答2015.1

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