動き出した3つのエネルギー政策見直し作業:革新的となるのか?(2011年9月29日)で触れた関連会議・委員会の複雑な関係及びスケジュールについて、10月3日に開かれた「エネルギー・環境会議」の配付資料が説明を試みています。
エネルギー・環境会議、第3回会合(2011年10月3日)の配付資料1「革新的エネルギー・環境戦略のこれまでの議論及び今後の進め方について」(国家戦略室 2011年10月3日、pdf)
7ページが「エネルギー・環境会議」のスケジュールを、同9ページが「関係機関との連携」スケジュールを示しています。以下、その部分を抜粋するとともに、各種委員会のページにあるスケジュール関連の記載を抜粋しておきます。
なお、各種委員会構成員リストは、動き出した3つのエネルギー政策見直し作業:革新的となるのか?をご覧ください。
- エネルギー・環境会議
- エネルギー・環境会議と関係機関との連携
- 「エネルギー・環境会議」の「コスト等検証委員会」
- 総合資源エネルギー調査会「基本問題委員会」
- 新原子力政策大綱
- 原子力委員会「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」
参考
各委員会のスケジュール
エネルギー・環境会議
(1)スケジュール
- ○10月に、まずは当面の需給安定行動計画を具体化。
- ○年末、コスト検証報告書のとりまとめを軸とした基本方針を公表し、春頃エネルギーシフトをはじめとした戦略の選択肢を提示。 国民的議論を経て、夏頃に戦略を決定するという大きな流れの下、戦略を具体化。
●10月3日(月) エネルギー・環境会議(第3回)
・エネルギー・環境会議再開。 ・ポイントは、コスト等検証委員会の発足。(10月7日(金)に第1回。年内にコスト等検証報告をとりまとめ予定。)
・これに呼応して総合エネ調や原子力委員会も活動開始。原発依存度低減や電力改革のシナリオを具体化。
●10月24日の週 エネルギー・環境会議(第4回)/電力需給に関する検討会合 合同開催
・当面の対策を具体化したエネルギー需給安定行動計画を公表。
・今冬の需給を確定。需要抑制目標を提示。
(現在の見通しは、東日本▲1.1%、中西日本▲0.4%、特に厳しい関西▲8.4%)
(注)来夏の需給については、機動的にレビューを実施し、国民に情報提供を行う。
●12月 エネルギー・環境会議
・基本方針を公表。 ・ポイントは、コスト等検証報告の公表。ベストミックスの基本的考え方を提示。
●春頃 エネルギー・環境会議
・戦略(エネルギーシフト、核燃料サイクル)の選択肢を提示。
・これを受けて、国民的議論を開始。
●夏頃 エネルギー・環境会議
・国民的議論の帰趨を踏まえ、革新的エネルギー・環境戦略を決定。
・新・エネルギー・基本計画、新・原子力政策大綱、グリーン・イノベーション戦略を統一的に提示。
エネルギー・環境会議と関係機関との連携 スケジュールまとめ
◆ベストミックス
- エネルギー・環境会議が、議論の基礎となるコスト等検証を公開の場で行い、 総合エネ調と原子力委員会がこれを踏まえ具体化の検討を行う。 双方の成果について、エネルギー・環境会議がチェック・アンド・レビューを行う。
- 温暖化対策については、近々「新たな会議体」が設置された場合、その下に置 かれるエネルギー・環境会議で、国内対策の検討を行う。
- ベストミックスの検討に際しては、 原子力事故・安全対策の徹底検証、原子力行政・規制等の見直しを睨みながら行う。
◆電力改革
7月29日の中間的な整理で示した考え方を踏まえ、東電を巡る議論にも留意 しながら、検討を行う。
*注:
- 表では、原子力政策大綱策定会議が核燃料サイクルコストについて10月から試算を行い、12月に中間報告をまとめることになっているが、実際にこれを行うのは、原子力委員会に設けられた「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」。詳しくは次を参照。3つの見直し作業の関係
- 温暖化対策と革新的エネルギー・環境戦略が、「『新たな会議体』の下に設置されるエネルギー環境会議で検討」となっているのは、野田佳彦首相が新設する「国家戦略会議」の下に「エネルギー・環境会議」を横滑りさせることのよう。
- 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会については、次を参照。資料リンク2 東電・事故関連委員会
「エネルギー・環境会議」の「コスト等検証委員会」
コスト等検証委員会の設置について
[平成 23年 10月3日 エネルギー・環境会議決定案]
- 平成23年7月29日の「『革新的エネルギー・環境戦略』策定に向けた中間的な整理」を踏まえ、新たなエネルギーベストミックスの検討を国民合意を得つつ行うべく、各電源の発電コストなどについて、網羅的に、かつ整合性を持った客観的なデータの提供を行うため、エネルギー・環境会議に、「コスト等検証委員会」(以下「委員会」という。)を設置する。
- 委員長は内閣府副大臣(国家戦略担当)とし、委員は別紙のとおりとする。但し、委員長は、必要があると認めるときは、委員以外の関係者の出席を求めることができる。
- 委員会は、原子力委員会その他関係機関からの協力を得ることができる。
- 委員会の議論の映像及び議事概要は、委員会における配布資料とあわせて公表する。委員会における試算に使われるモデル化されたデータや計算式は、第三者が後日試算可能な形で公開する。
- 委員会の庶務は、内閣官房、経済産業省、環境省及び農林水産省が共同で処理する。
- コスト等検証委員会委員リスト
- コスト等検証委員会スケジュール (右の図、クリックで拡大→)
総合資源エネルギー調査会「基本問題委員会」
- 年内:10月中下旬以降、数回開催しつつ、具体的に議論。関係者から広く意見聴取。
- 年末目途:ベストミックス等の基本的考え方を議論。
- 来春目途:ベストミックスの選択肢案を議論。
- 来夏目途:新しいエネルギー基本計画案を議論。
- ※エネルギー・環境会議とも十分連携しながら議論を進める。本調査会の意見を踏まえ、適宜、経済産業省としてエネルギー・環境会議に対し報告を行う。
(参考:エネルギー・環境会議の予定)
年末・・・「『革新的エネルギー・環境戦略』の基本的方針」の策定
来年春頃・・・「『革新的エネルギー・環境戦略』の選択肢」の提示
来年夏頃・・・「革新的エネルギー・環境戦略」の策定
新原子力政策大綱
新大綱策定会議の再開について(平成23年8月30日原子力委員会決定、pdf)
原子力政策大綱の策定に向けた検討を再開し、今後一年を 目途に新しい原子力政策大綱をとりまとめることとします。
- 第7回 10月3日
- 第8回予定 10月26日
原子力委員会「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」
第38回原子力委員会定例会議(2011年10月4日)配付資料第1回予定(pdf)
2011年10月11日(火)8:00〜10:00
開催場所: 東海大学校友会館 富士の間(東京都千代田区霞が関3−2−5 霞が関ビル35階)
議題:
- 小委員会の設置について
- 核燃料サイクルコスト試算モデル・条件の確認
- その他
2011年10月13日(木)13:00〜15:00
開催場所: グランドアーク半蔵門 光の間(東京都千代田区隼町1−1)
議題:
- 原子力発電所の事故リスクコスト試算の考え方
- その他