米国サウスカロライナ州で2月29日に行われた民主党予備選挙では、ジョー・バイデン前副大統領が巻き返しに成功し話題を呼んでいますが、同州で直前に実施された世論調査で、米国は先に核兵器を使うべきでないとする先制不使用策支持者が62%に達していたことにも注目していいでしょう。日本は米国に先制使用のオプションを維持してほしいとの立場です。
世論調査は、「憂慮する科学者同盟(UCS)」の資金援助を得て、Zogby Analytics社が1月31日から2月1日にかけて実施したものです。地元紙エイキン・スタン―ドが2月24日にその結果を報じました。
調査は、米大統領選挙と核の脅威の削減──候補者に核政策表明を求める運動で紹介したUCSのキャンペーンの一環です。
今回も、次の二つの項目が入っていました。
- 米国は決して核兵器を先に使ってはならない。
- 大統領候補が核問題についての考えを表明することが重要だ。
各州でこれを支持する回答の割合は、次の通りとなりました。
ニューハンプシャー州(73%、84%)、アイオワ州(57%、82%)、ミシガン州(67%、82%)、オハイオ州(65%、84%)、ジョージア州(61%、86%)、サウスカロラナイ州(62%、83%)。
サウスカロライナ州の調査結果は次の通りです。
(出典:South Carolina fact sheet (UCS)(pdf))
- 核兵器を先に使うべきでないとの先制(先行)不使用策について
- 黄色 先制使用を容認する状況が存在 24%
- 青 他国の核攻撃があった場合にのみ 30%
- 赤紫 決して使ってはならない 32%
- 灰色 分からない 14%
- 2020年の大統領選挙候補が核兵器についての見解を論じることの重要性について
- 緑 非常に重要 54%
- 薄緑 いささか重要 29%
- 橙色 あまり重要でない 8%
- 朱色 全く需要でない 3%
- 灰色 分からない 6%
- 米国の大統領が米国の核兵器を使う唯一の権限を持っていることについて
- 黄色 現在の政策でよい 23%
- 青 他の政府高官の承認が必要 50%
- 赤紫 米国は決して核兵器を使うべきでない 17%
- 灰色 分からない
日本でこのような調査をするとどんな結果になるでしょうか。
参考
- 米大統領選挙と核の脅威の削減──候補者に核政策表明を求める運動 2019.12.29
- 核兵器禁止条約受け入れと核戦争回避措置を!米国の州・自治体議会、政府に要請 2019. 6.11
- 先制不使用断念──日本の核武装の懸念が一つの理由と米紙 2016. 9. 7
- 先制不使用問題リンク集