4月6日に発表された米国の「核態勢の見直し(NPR)」とその2日後に発表された新「戦略兵器削減(START)」条約について評価が分かれています。それは、NPR・新START条約が、核テロ・核拡散が主要課題と位置づけ、これらには核兵器では対処できないとし、核廃絶に向けて、核の役割を低減する、NPTの規定を遵守する非核兵器国には核攻撃をかけない、核実験をしないで包括的核実験禁止条約の批准を追求する、新型核兵器は作らない、などとする一方、予備も含めた数千発の核兵器を維持し、ミサイル防衛を推進し、核兵器関連施設への投資を増大し、警戒態勢を維持するとしているからです。背景には、新STARTや包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准問題があります。
4月6日に米国の「核態勢の見直し(NPR)」がワシントンで発表され、二日後の8日には、米ロ間の「新戦略核兵器削減条約(NEW START)」がプラハで調印されました。これに関連した三つの文書の訳・抜粋訳を掲載しました。(1) NPR発表の際に国防省が使ったブリーフィング資料(2010年4月6日)の全訳、(2) NPRの抜粋訳(注釈入り)、(3) 新START抜粋訳(注釈入り)。
最近掲載の関連記事としては次の二つがあります。(1) 米ソ(ロ)の戦略兵器制限・削減条約のまとめ、(2) 世界の核兵器 2010年。
米ロ間の新戦略核兵器削減条約(新START)について考える際の参考にして頂くために、これまでの米ソ(ロ)の戦略兵器制限・削減条約を表にまとめたものを掲載しました。
4月8日にプラハで新START(戦略核兵器削減条約)の調印式が行われ、また今週中に米国の「核態勢の見直し(NPR)」が発表されると報道されています。新STARTやNPRについて考える際の参考にと、世界の核兵器の最新データを掲載しました。
『アームズ・コントロール・トゥデー』2010年3月号巻頭論文を訳出して載せました。
[冷戦が終わったにも関わらず米ロ]両国とも、大量の戦術核兵器の残存物を維持している。150〜250と推定される米国の自然落下型の核爆弾が5つのNATO諸国の6基地に残っている……ロシアは、約2000発の戦術核兵器を所有していると推定されている。