核情報

2018. 6.22

プルトニウム削減の第一歩は再処理工場運転放棄

 6月10日、日経新聞が「米、プルトニウム削減を日本に要求 核不拡散で懸念 政府、上限制で理解求める」と報じました。背景には、1988年日米原子力協力協定の最初の有効期間が7月16日に満期を迎えるという事情があります。期限を定めない自動延長が確定していますが、今後も一方の国が6カ月前までに文書で通告すれば終了や改訂交渉が可能なため協定は不安定な状態に入ります。

参考

 米国は日本の核兵器6000発分ものプルトニウム保有について以前から懸念を表明していました。トランプ政権の要請は以前より具体的で、日本側は6月中に保有量の上限設定方針の策定、7月16日に日米共同文書を発表という線で同意したとの報道です。朝日新聞(6月17日)によると「米国が3月ごろから削減を強く求めてきた」、「来月発表のエネルギー基本計画にも削減方針を明記」とのことです。上限をどのように設定するかは不明です。

 日本政府は、1997年12月、「余剰プルトニウムを持たないとの原則」を国際原子力(IAEA)に送った文書で国際的に宣言し、原子力委員会(以後同委)が2003年8月5日に発表した「わが国のプルトニウム利用の基本的考え方」は「利用目的のないプルトニウム、すなわち余剰プルトニウムを持たないとの原則」を再確認するとともに、間近に控えた六ヶ所再処理工場の試運転開始を念頭に、電気事業者は、プルトニウムの詳細な利用計画(利用開始時期・期間を含む)を毎年度プルトニウムの分離前に公表すると定めています。プルトニウムをウランと混ぜた混合酸化物(MOX)燃料にして軽水炉(普通の原発)で利用すること(プルサーマル利用)を同委が確認するから余剰は生じないとの主張です。しかし、これまで電気事業連合会が発表した利用計画では各社、利用開始年を再処理工場に隣接して建設中のMOX工場の完成予定年以降としているだけです。しかも英仏に委託した再処理で発生した分は無視されています。このため保有量は1997年の宣言の際に示した96年の量と比べ、2倍以上の48トン(英国で今年末までに日本に割り当て予定の1トンを含む)になっています。

最近の再処理政策継続のための「説明」の試み

 昨年からの流れを整理しておきましょう。日本政府は昨年7月21日、同委の「原子力利用に関する基本的考え方」を閣議決定しています。同文書は、削減の必要性についての国際的関心のため、現在、唯一の現実的な手段である軽水炉でのMOX利用での対応が求められ、日本の方針を「適切に説明」することが重要と述べています。同委は10月3日には「日本のプルトニウム利用について【解説】」発表します。六ヶ所再処理工場操業開始までに電気事業者が、「最新の実績を踏まえた新たなプルトニウム利用計画を公表し、国(原子力委員会)がその妥当性を確認……以上のことから……長期的に、日本のプルトニウム保有量の削減という目標が達成されるであろうと認識している」との解説です。

 これでは国際的理解は得られないでしょう。米国NGO関係者によると、2016年3月17日の上院外交委員会公聴会で日本の再処理についての懸念を表明するなど、注目されたオバマ政権のトーマス・カントリーマン米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)が去った後も次官補代理がまともな約束をと迫り続け、今年1月9日に後任のクリス・フォード氏が就任、同様の要求を続けたようだとのことですが、要求が強化されたか否か不明です。

 今年1月16日に同委は、2003年の「考え方」の改訂を決定します。事務局の配布文書は「フランスには、余剰プルトニウムを発生させないために、一定期間の分離プルトニウムの利用見通しにしたがって、使用済燃料を再処理するという政府のガイドラインがある」と述べ、この方式に沿った改訂を提案しています。03年版が虚構と認めたことになります(朝日記事の「プルサーマル発電の見通しを立てた上で、その分に応じた量だけ、新たなプルトニウムの取り出しを認める」はこれに言及か)。「『長期的には、日本のプルトニウム保有量を削減するという目標を達成する』ことが必要」とあるのは、昨年10月の「達成されるであろうと認識」からの変更点です。しかし、お手本とするフランスの民生用プルトニウム保有量は、この方針にもかかわらず、毎年1~2トンほど増え続けていて、16年末現在で65.4トンに達しています。

 5月28日の同委定例会議で事務局が示したメモには、改訂版では「プルトニウム・バランス、海外保有分、六ヶ所再処理施設における再処理、研究開発用プルトニウムの利用方針、利用計画」について検討が必要とあります。6月12日に発表した「『エネルギー基本計画(素案)』について(見解)」では、同委は「核燃料サイクルの推進は我が国の基本的な方針」とし、「再処理工場やMOX燃料加工工場等の稼働に向けて着実に実施していく」、「プルサーマルの実施」について「電力事業者間で協力する体制が必要」と述べています。最後の点は、再稼働の進んでいない東京電力や中部電力の英仏保管プルトニウムを他の電力会社に譲渡して燃やそうというものです。電事連が1997年に発表した2010年までに16~18基でプルサーマル導入(年間7~11トン消費)という計画は、年間8トンのプルトニウム分離能力を持つ六ヶ所再処理工場の運転を正当化しようとするものでした。現在21年完成予定の同工場の運転を、再稼働しているMOX利用許可炉が4基だけという状況で「説明」できるとの判断か。海外保管38トンが底をつくまで運転しないとするのか。

 再処理は元々使った以上のプルトニウムを生み出す夢の高速増殖炉の初期装荷燃料を提供するために構想されたものです。原型炉もんじゅはまともな運転ができないまま2016年末に廃炉が決定されました。MOX燃料の製造には普通のウラン燃料の10倍ほどのコストがかかります。必要なのは核燃料サイクル推進のための説明ではなく、再処理政策の放棄です。

追補:古い虚構から新たな虚構へ? 検証の試み

1)2003年08月05日の原子力委員会決定「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について」(pdf)は、元々、間近に迫った六ヶ所再処理工場の運転開始を正当化するための「説明」を目指したものだった。

核兵器利用可能物質「プルトニウムの利用の透明性向上を図ることにより国内外の理解を得る」ために、「利用目的のないプルトニウム、すなわち余剰プルトニウムを持たないとの原則を示す」などしてきたが、一層の透明性向上のために、「現在建設が最終段階に達しており、アクティブ試験の段階から使用済燃料からのプルトニウムの分離、回収が開始されることとなる」「我が国初の商業用再処理工場である六ヶ所再処理工場については」ついて次のような措置が必要と述べている。

電気事業者は、プルトニウムの所有者、所有量及び利用目的を記載した利用計画を毎年度プルトニウムを分離する前に公表することとする。利用目的は、利用量、利用場所、利用開始時期及び利用に要する期間の目途を含むものとする。

そして、

この措置により明らかにされた利用目的の妥当性については、原子力委員会において確認していくこととする。

だから、運転開始しても大丈夫という主張だ。

(海外保管のプルトニウムは、「MOX燃料に加工された上で我が国に持ち込まれる」から「平和利用の面から懸念が示されることはないと考えられる」として、あたかも問題がないかのように扱っている。その結果が決定から15年たった今、38トンが英仏に置かれたままという現状だ。)

2)しかし、実際に電気事業連合会が提示した「利用計画」(例えば、2006年1月発表利用計画(pdf)及び2010年9月発表利用計画(pdf))の「利用開始時期及び利用に要する期間の目途」の項には、下に示すように「XX年度以降」とあるだけだ。XX年度というのは、六ヶ所再処理工場に隣接して建設中のMOX燃料製造工場のその時点での運転開始予定年。つまり、MOX工場ができるまで六ヶ所で取り出したプルトニウムは消費できないと宣言しているだけ。何年何月から何年何月までの間に利用するという計画ではない。いずれ使うつもりという意思宣言に過ぎない



3)原子力委員会は、このような「利用計画」を「確認して」、妥当との判断を示してきた。

4)設計通り機能するか機能しないか分からないMOX工場の計画しかない状況では、2003年8月決定でもたらされた「原子力委員会による確認制度」はそもそも虚構でしかなかった。

参考:余剰プルトニウムの定義に関する2006年3月13日経産省回答

ヨーロッパにあるプルトニウムを先に使うか、六ヶ所で分離されるプルトニウムを先に使うかといった判断は事業者が行うものであり、政府が指示をするようなものではない。余剰プルトニウムというのは量的概念ではない。[電気事業者が利用すると言っていれば、100トン、200トン、300トンと増えて行っても余剰と呼ばないのかとの質問に]利用計画がある限り、余剰プルトニウムではない。ただし、1万トンになっても余剰と考えないと主張していると思われると困る。

資源エネルギー庁核燃料サイクル産業課企画調整一係長 宮本拓人氏

5)岡委員長の立場はこれまで、日本の再処理政策が外国に正しく理解されていないことが問題で、正しい理解を得るための「説明」が必要だというもの。

例:

2014年6月10日

(岡委員長)書き方が少しわかりにくいということ。炉内に入ったのは今まで全部照射済み、一番右の欄は基本的に照射済みのものですね。ですから、核不拡散上の懸念はないものだと。ただ、今回は一遍入れて照射せずに出したものが出てきたから、それをもうちょっとわかるように、核不拡散の懸念という意味でわかるように。ただ、MOX燃料になっていますので、分離されたものではないし、それから日本の分離されたプルトニウムも混合酸化物、ウランと混じってますので、核不拡散という観点で言えば燃料に加工されたものはまた戻すまでに随分かかりますし、それから分離されたプルトニウムはウランと混合した状態ですから、核不拡散上の懸念の点では、少し小さくなるというようなことは事実なのですけれども。海外の方によくこのあたりをわかってもらうということも非常に重要なので、少し公表の仕方、今の新しい事例を含めて公表の仕方を工夫をするということではないかと思うのですけれども。

出典:第19回原子力委員会定例会議(2014年6月10日)議事録(pdf)

2016年7月27日

(岡委員長)あと、英仏にMOX[プルトニウム?]が日本よりもたくさんあるわけで、これはMOX燃料集合体に加工してかえってくるので、それを無視したような、核不拡散上懸念があるとの意見を聞くことがありますけれども、輸送も含めて燃料集合体、しかも酸化物ですので、核不拡散上のバリアとしては非常にあると。日本の再処理も混合転換ですので、プルトニウムとウランを分離しない転換法ですので、そういう意味では核不拡散の抵抗性は大きいと。そういうふうなところは全体の概要として背後にある情報かと思うのですけれども……。

出典:英国保管のプルトニウム、核兵器500発分の急増――隠ぺいか無能力か、どちらも問題だ 核情報 2016.11. 7

2017年10月3日

(岡委員長)ちょっと整理したいのですが、これは政策の議論をしているのか、解説といいますか説明文を出す議論をしているのか、これは2つあると思うのです。それが[阿部]先生の場合は両方になっていて、特に政策の議論になってしまっている。それで、こ、こういうものを出したら、あるいはつくったらと思ったのは私なのですが、2年ぐらい前ですね、非常にアメリカの核不拡散関係者が日本のプルトニウム政策でうるさくて、しかし、日本側からは何も資料が出ていかない、これは非常にまずいのだと、おっしゃっていたとおりでございまして、私が書いたものを先生直されて、そのままお蔵入りになっていたものが基になっております。

出典:第34回原子力委員会定例会議(2017年10月23日」議事録(pdf)

参考:原子力委員会の滑稽な論議──プルトニウム利用について 核情報 2017.11.27

上記2017年10月23日の定例会議の議論から

阿部委員長代理「ここは非常に重要な文章で、原子力委員会としては減っていくと、こういう認識であると、こういうことですね。川渕さん、この長期的にって、どのぐらいの期間を考えられておられるんですか?」

川渕英雄企画官「えーっと、まあ非常に難しいところでありますけれども(笑い)、あの、えー、まあ、あの、そこまではまだ検討はしていないということ。」

*阿部委員長代理は、「日本はエネルギー資源に乏しく、ウランの埋蔵量も限られていると考えられていたことから、使用済燃料を再処理してプルトニウムを利用する核燃料サイクル政策」に昔決めたという説明はいいが、ウランは豊富に存在することが判明し、MOX利用が高くついているというような現在の状況についてなぜ語らないのかと何度も批判を展開。この事務局とのやりとり、それに続く岡・阿部バトルについては、上記記事を参照。

6)2017年10月3日の原子力委員会定例会議で、上述の議論を経て岡委員長主導で確定されたのが日本のプルトニウム利用について【解説】(pdf)(英語版 Plutonium Utilization in Japan(pdf))

7)原子力委員会の2018年1月16日の定例会議で2003年8月の「決定」を改訂することを決めた際に確認された文書「日本のプルトニウム利用の現状と課題」(pdf)は、「日本のプルトニウム利用説明例――簡明で皆が理解できる説明を」で始まり、2017年10月23日の【解説】の抜粋・修正を基礎としている。最後のページ「プルトニウム利用の今後の在り方について」は次のように述べて、フランスのガイドラインに触れているのが新しい。

  • フランスには、余剰プルトニウムを発生させないために、一定期間の分離プルトニウムの利用見通しにしたがって、使用済燃料を再処理するという政府のガイドラインがある。
  • こうした考え方を含めて「利用目的のないプルトニウムは持たない」と言う原則の下で、現下の状況を踏まえ、「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について」(平成15年原子力委員会決定)をアップデートすることも必要ではないか。

その後につけられた「参考資料」で「フランスのプルトニウムマネジメント」について次のように解説している。

フランスのプルトニウムマネジメント

再処理量のガイドラインがフランス政府によって明示されている。
58基のうち22基がMOX燃料で運転している。
余剰プルトニウムを発生させないために、分離プルトニウムの利用見通しにしたがって、使用済燃料を再処理する。

In order to avoid inventories of useless separated plutonium, the fuel is processed as prospects develop for the extracted plutonium (“flux‐adequacy principle”).※


出典:Joint Convention on the safety of spent fuel management and on the safety of radioactive waste management,
http://www.french-nuclear-safety.fr/ASN/Professional-events/Joint-Convention-on-the-Safety-of-Spent-Fuel-Management-and-Safety-of-Radioactive-Waste-Management
※: Sixth National Report on Compliance with the Joint Convention Obligations, France, October 2017, P.35
なお、フランス政府による再処理量のガイドラインは、 2003年に、First national report on the implementation by France of the obligations of the Conventionで示されている。

これは、2003年8月決定のシステムが虚構であったことを事実上認めたものだが、正式にそのことを認めて初めて、改訂版に信ぴょう性が出てくる。

8)フランスの2003年の決定の際にはMOX工場が動いていて、それなりの(経済性のない)MOX使用の経験があった。日本の場合は、2003年の決定の際にMOX工場が動いておらず、決定で導入されたシステムが虚構であったという状況は、今も変わりない。「一定期間の分離プルトニウムの利用見通し」などという文言を入れても、順調に稼働しているMOX工場がなければ、見通しの立てようがないという現実は変わらない。

今回の改定は、経済的合理性のない再処理を続けるために、新しい虚構の「監視体制」下での継続がなぜ問題ないか説明するためのものでないか、検証が必要。

9)なお、原子力委がお手本とするフランスのガイドラインが出た後も、フランスのプルトニウム保有量は下のグラフが示す通り、増え続けている。1995年の約30トンから2016年の65.4トンと2倍以上に増えている。

*2016年末現在、外国所有分(ほとんどが日本分)を含む合計量は81.7トン。仏所有分は、65.4トン。
出典:フランク・フォンヒッペル(プリンストン大学名誉教授)提供

10)日本の保有量を減らすことを本気で考えるなら、英国保管の日本のプルトニウム約22トンの処分を引き受けていいという英国側オファーを受け入れ、交渉するというオプションがある。

UK Department of Energy and Climate Change, Management of the UK’s Plutonium Stocks: A consultation response on the long-term management of UK-owned separated civil plutonium, 2011

エネルギー・気候変動省(DECC)「英国のプルトニウムの管理:英国所有の分離済み民生用プルトニウムの長期的管理に関して寄せられた意見への回答2011」

*英国側オファーの部分は以下に。

1.8 The consultation document also addressed foreign-owned plutonium stored in the UK. Having considered all the responses, the UK government has concluded that overseas owners of plutonium stored in the UK could, subject to commercial terms that are acceptable to UK Government, have their plutonium managed in line with this policy. In addition, subject to compliance with intergovernmentalagreements and commercial arrangements that are acceptable to UK Government, the UK is prepared to take ownership of overseas plutonium stored in the UK after which it would be treated in line with this policy.

粗訳:「協議[意見募集]」報告書は、英国に貯蔵されている外国所有のプルトニウムについても論じている。寄せられたすべての意見を考慮した結果として英国政府が到達した結論は、英国に貯蔵されているプルトニウムの海外所有者は、英国政府が受け入れられる商業的取り決めに従うことを条件に、この政策に沿った形でそのプルトニウムの管理を[英国に]任せることができるというものである。さらに、政府間の合意及び英国政府が受け入れられる商業的取り決めに従うことを条件に、英国は英国で貯蔵されている海外のプルトニウムの所有を英国に移し、この政策に沿った形でこれを扱う用意がある。

(参考:なおざりなプルトニウム管理ーー再処理委託先の英国で核兵器約3000発分が「放置」参考文献

資料:エネルギー基本計画(2018年7月3日閣議決定)

抜粋 (p.53〜54)

核燃料サイクル政策の推進
1) 再処理やプルサーマル等の推進

我が国は、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としている。

核燃料サイクルについては、六ヶ所再処理工場の竣工遅延などが続いてきた。また、もんじゅについては、廃止措置への移行を決定した。このような現状を真摯に受け止め、事業を安全に進める上で直面する課題を一つ一つ解決することが重要である。その上で、使用済燃料の処理・処分に関する課題を解決し、将来世代のリスクや負担を軽減するためにも、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減や、資源の有効利用等に資する核燃料サイクルについて、これまでの経緯等も十分に考慮し、引き続き関係自治体や国際社会の理解を得つつ取り組むこととし、再処理やプルサーマル等を推進する。

具体的には、安全確保を大前提に、プルサーマルの推進、六ヶ所再処理工場の竣工、MOX燃料加工工場の建設、むつ中間貯蔵施設の竣工等を進める。また、平和的利用を大前提に、核不拡散へ貢献し、国際的な理解を得ながら取組を着実に進めるため、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を引き続き堅持し、プルトニウム保有量の削減に取り組む。これを実効性あるものとするため、プルトニウムの回収と利用のバランスを十分に考慮しつつ、プルサーマルの一層の推進や、2016年に新たに導入した再処理等拠出金法の枠組みに基づく国の関与等によりプルトニウムの適切な管理と利用を行う。併せて、使用済MOX燃料の処理・処分の方策について、使用済MOX燃料の発生状況とその保管状況、再処理技術の動向、関係自治体の意向などを踏まえながら、引き続き研究開発に取り組みつつ、検討を進める。また、「高速炉開発の方針」(2016年12月原子力関係閣僚会議決定)に基づき策定されるロードマップの下、米国や仏国等と国際協力を進めつつ、高速炉等の研究開発に取り組む。

もんじゅについては、「もんじゅの廃止措置に関する基本方針」(2017年6月「もんじゅ」廃止措置推進チーム決定)に基づき、安全の確保を最優先に、着実かつ計画的な廃止措置に責任を持って取り組む。その際、立地地域の住民や国民の理解を得るための取組を引き続き進めることとし、廃止措置と並行して、国は地元の協力を得ながら、福井県敦賀エリアを原子力・エネルギーの中核的研究開発拠点として整備していく。もんじゅにおいてこれまで培われてきた人材や様々な知見・技術に加え、廃止措置中に得られる知見・技術については、将来の高速炉研究開発において最大限有効に活用する。

2) 中長期的な対応の柔軟性

核燃料サイクルに関する諸課題は、短期的に解決するものではなく、中長期的な対応を必要とする。また、技術の動向、エネルギー需給、国際情勢等の様々な不確実性に対応する必要があることから、対応の柔軟性を持たせることが重要である。特に、今後の原子力発電所の稼働量とその見通し、これを踏まえた核燃料の需要量や使用済燃料の発生量等と密接に関係していることから、こうした要素を総合的に勘案し、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減、資源の有効利用の観点やコスト、関係自治体の意向等も考慮しつつ、状況の進展に応じて戦略的柔軟性を持たせながら対応を進める。

出典:新しいエネルギー基本計画が閣議決定されました 経済産業省 2018年7月3日
第5次エネルギー基本計画(PDF形式:1,873KB)


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