2006年06月26日

『原子力立国計画』全文発表

6月16日、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会は、昨年10月に出された「原子力政策大綱」に示された基本方針を実現するための具体的方策等をまとめた報告書(案)『原子力立国計画』(154ページ)を基本的に了承しました。(経済産業省エネルギー庁では同報告書案に対する意見募集(pdf)をしています。)

この報告書の簡略版となっている『新・国家エネルギー戦略』のなかの「原子力立国計画」について先日紹介した際に述べたとおり、高速増殖炉実証炉の2025年頃までの実現、商業炉の2050年よりも前の操業開始など、実現の可能性の乏しいプルトニウム利用計画を謳っています。

参考

投稿者 kano : 16:36

2006年06月22日

人工衛星発射か軍事ミサイルか

北朝鮮が発射準備をしているのは、人工衛星用ロケットか軍事用ミサイルか。先に紹介した米国の民間団体のウエッブサイトGlobalSecurity.org 掲載のC. P. Vick(旧ソ連のミサイルに詳しい)による解説は、北朝鮮が発射しようとしているテポドン2C/3に搭載される通信衛星の模型が数年前に北朝鮮で展示されていたと述べています。前回の打ち上げと同じく、実施されれば、人工衛星の打ち上げの試みであるとともにミサイルの能力を示すものともなるということでしょうか。

このヴィックの解説は次のように述べています。

数年前、北朝鮮がその科学博物館で最初の人工衛星の模型の展示を催した際、数年後に発射されるとされた通信用人工衛星の模型も展示した。この人工衛星が、今回の初めてのテポドン2C/3発射実験の搭載物となるということだろう。この打ち上げ実験の特性は、おそらく、このブースターが650kgの核弾頭を搭載物として載せて8000〜1万2000km飛べることを示すことになるだろう。搭載重量が250kg程度なら、その能力は1万5000km程度ということになるだろうが、これは後数年間は実現されないだろう。

一方、朝鮮総連の機関紙『朝鮮新報』の朝鮮語のページに6月21日に掲載された記事は次のように述べています。

朝鮮には朝鮮の論理がある。「衛星保有国になることはあまりにも堂々たる自主権の行使だ」ということだ。「自主権の行事」と言うのは他人の干渉を受けないということだ。論理的にいえば、運搬ロケット 「白頭山2号」による人工衛星「光明星2号」の打ち上げはこれからいつでもあり得る。それは一月後かもしれないし、1年後かもしれない。

なお、ヴィックは、イランで1月17日に行われたノドンBの「イラン・北朝鮮共同」実験の成功が当初予定されいたテポドン2とはまったく異なる新たな設計のテポドン2C/3の機能を示すものだと説明しています。

振り返ってみると、これが北朝鮮のいわゆる自主的な実験モラトリアムの真の目的であったようだ。つまり、この改良型設計能力の打ち上げ機(launch vehicle)を開発する時間を稼ぐためであって、それ以外のことをする気はなかったということだ。

参考

投稿者 kano : 17:29

2006年06月20日

北朝鮮ミサイル発射場衛星写真

米国の民間団体のウエッブサイトGlobalSecurity.org が北朝鮮の咸鏡北道舞水端里(旧・大浦洞)ミサイル実験施設の一連の衛星写真を載せています。米国時間の6月19日にアップデートされたC. P. Vick(旧ソ連のミサイルに詳しい)の解説は、燃料注入は週末の始めに終わっていたとする報道に触れ、このような燃料を2日以上注入したままにしておくのが危険であることを考えると、報道が正しくてしかも19日に発射がないとなると、それは北朝鮮の燃料貯蔵技術の高さを示すものであるかもしれないが、詳細は不明だと論じています。

以下は、GlobalSecurity.org に載った衛星写真の一部です。

  1. ミサイル実験施設全貌  2002年2月15日 
    • 上 ミサイル・コントロール建て屋
    • 左 ミサイル組み立て・検査建て屋
    • 中 ミサイル発射台
    • 右 エンジン試験台

    • 地図

  2. 発射コントロール・センター  2006年6月9日
    • 拡大図 2006年5月24日
    • 新たな活動と車両らしきもの(右上)を示している

  3. 組み立て建て屋  2006年6月9日
    • 車両らしきものを示している

  4. 発射台  2006年6月9日

  5. エンジン試験台

○参考

投稿者 kano : 13:21

2006年06月13日

大量破壊兵器委員会報告─プルトニウム利用路線に警鐘

大量破壊兵器委員会(WMDC)は、6月1日、ニューヨークでコフィ・アナン国連事務総長に報告書を提出しました。イラクの査察に当たった「国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)」の元委員長で、1981年から97年までIAEAの事務局長の職にあったハンス・ブリックス氏が委員長を務めるWMDCの報告書『恐怖の兵器』(pdf)は、その勧告9で「使用済み燃料の再処理によってプルトニウムを分離している国は、その活動を減らす可能性を探るべき」と述べるなど、プルトニウム利用路線に警鐘を鳴らしています。米国が提唱し日本が支持を表明している「国際原子力パートナーシップ(GNEP)」についても問題点を鋭く指摘しています。

詳しくは…

投稿者 kano : 16:43

2006年06月08日

実現の可能性の乏しい「原子力立国計画」

5月31日、経済産業省は『新・国家エネルギー戦略』(pdf)を発表しました。65ページの文書のうちの5ページ分(44−48)を占める「原子力立国計画」は、原子力発電は「運転中にCO2を排出しないクリーンなエネルギー源」だとし、「2030年以降においても、発電電力量に占める比率を30〜40%程度以上とすることを目指す」と述べるとともに、米国の国際原子力パートナーシップ(GNEP)構想などに触れながら、2045年頃の第二再処理工場の操業開始、高速増殖炉実証炉の2025年頃までの実現、商業炉の2050年よりも前の操業開始など、実現の可能性の乏しいプルトニウム利用計画の推進を謳っています。

詳しくは…

投稿者 kano : 20:14