2012年04月26日

「勝手な足し算」を繰り返す原子力委員会事務局─利害の衝突・利益相反が原因か?

4月19日の原子力委員会「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」で、事務局が座長の指示を無視して、既投資分を加算したデータを使い、使用済み燃料の直接処分費用を実際よりも高く見せたことを、24日の共同通信記事が取りあげ、議論を呼んでいます。12日には、近藤委員長が、2004年に行われた現大綱の策定会議で、事務局の「皆さん勝手に足し算しちゃった」と述べていました。業界代表が入っている事務局構成に問題があるのかもしれません。

詳しくは…

投稿者 kano : 18:46

2012年04月25日

直接処分を高く見せるデータ処理 原子力委員会事務局のクーデター?

4月19日、原子力委員会「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」で、事務局は、使用済み燃料の直接処分費用を実際よりも高く見せるデータを発表しました。このデータは、使用済み燃料の全量再処理、再処理・直接処分並存、全量直接処分の三つのシナリオにおける2010年から2030年の発電にかかる核燃料サイクルコスト部分についてモデル計算で比較したものですが、事務局は、直接処分に関し、すでに発生している使用済み燃料の処分費用や、既投資分、再処理工場の廃止措置分などの全額を20年間の核燃料サイクル・コストにすべて押しつける形の計算を示しました。前回の12日の会合で、鈴木座長は、六ヶ所再処理工場の「既投資分は、すべてのシナリオで共通なので計算に入れない」と明言していました。

詳しくは…

投稿者 kano : 11:46

2012年04月18日

六ヶ所凍結による決定留保と条件付き運転開始決定を混同──原子力委員会小委での混乱

原子力委員会の「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」で使用済み燃料の全量再処理、再処理・直接処分並存、全量直接処分の三つのシナリオについて、それぞれに留保(wait and see)案があるとして検討が始まりました。「seeは何を見るのか、例えば5年間六ヶ所再処理工場の運転開始をしないとすると開始の条件は何か、プルトニウム利用計画ができると運転開始を認めると言うことか、では、5年間待つ必要はなく、利用計画ができ次第運転開始を認めるので良いのでは」こんな議論になっていますが、これは、条件付き運転開始です。必要なのは、原子力の将来も見えない中、ひとまず再処理工場を一定期間凍結し、これまでの政策決定の歴史についても原子力村の外で議論して決めるという政策決定留保案です。そもそも、国産の高速増殖炉の夢が実現すれば、回収したプルトニウムを使用するとの極めて実現性の怪しい夢を確実に実現できるかのように扱ってシナリオに入れること自体も問題です。

詳しくは…

投稿者 kano : 23:58

2012年04月17日

2004年政策変更コスト足し算は間違いだった──近藤原子力委員長

2005年原子力政策大綱策定の議論を2004年にした際、直接処分の方が再処理よりも安いとの結果が出たにも関わらず、政策変更をすると立地地域の信頼関係が壊れ、「原子力発電所からの使用済燃料の搬出や中間貯蔵施設の立地が滞り、現在運転中の原子力発電所が順次停止せざるを得なくなる状況が続く可能性が高い」から火力発電で代替するしかなくなるとして、そのコストを政策変更コストとして直接処分コストに加算し、これによって直接処分の方が高くなるとの結論が出されました。この足し算が間違いだったと4月12日ので原子力委員会小委員会で近藤原子力委員会委員長が指摘しました。

詳しくは…

投稿者 kano : 17:10

2012年04月06日

韓国の人工衛星も北朝鮮と同様のコースで10月に3回目打ち上げ──両者の違いを分析

4月12日から16日の間にロケット銀河3号を使って人工衛星「光明3号」を打ち上げると3月16日に北朝鮮が発表したのを受けて、日本政府は、この打ち上げの失敗によりロケット本体あるいは破片が落ちてきた場合にこれを打ち落とすためとして、弾道ミサイル迎撃ミサイルSM-3搭載のイージス艦を沖縄周辺に2隻、日本海に1隻配備し、地対空誘導弾PAC3を沖縄本島、宮古島、石垣島、さらには首都圏にも配備すると発表し、実際に配備計画を進めています。不規則な動きをしながら本体や破片が落ちてきた場合にこれを打ち落とすことができるかという問題と別に、注意すべきことがあります。それは、今回の北朝鮮の打ち上げロケットの飛翔経路が南に向かうもので、これまで2回失敗し、10月に3度目が予定されている韓国の衛星打ち上げロケットのものとほぼ同じで、しかもそれより西寄りだということです。

詳しくは…

投稿者 kano : 16:38

2012年04月05日

核燃料サイクル政策、核セキュリティーがシナリオの大前提

原子力委員会の「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」で核燃料サイクル政策についてのシナリオの議論が始まりました。全量再処理、全量直接処分、再処理・直接処分並存、留保(waite and see)についてあり得るシナリオを整理しようということです。発電しながら使った以上のプルトニウムを作り、無尽蔵のエネルギー源となるという「夢の原子炉」高速増殖炉の初期装荷燃料として必要なプルトニウムを提供するために推進された再処理を、夢が遠ざかり続ける現状を前にどうすべきか。核兵器利用可能物質のセキュリティーを念頭に、シナリオ検討の基礎とすべき論理的整理を試みました。

詳しくは…

投稿者 kano : 11:11