3月28日、3月31日~4月1日米国ワシントンDCで開かれる核セキュリティ-・サミットを前に、世界の核問題専門家・団体などが安倍晋三総理大臣に「六ヶ所使用済み核燃料再処理工場運転の無期限延期を発表することにより、核セキュリティー・サミットに大きな貢献をするよう要請」する書簡を送りました。書簡は、前回のサミットで宣言された核兵器転用可能な「世界の分離済みプルトニウムの存在量を最小限にするという日米両国の目標に向かって進むため」には再処理でこれ以上プルトニウムを増やさないようにすることこそが重要と訴えています。書簡の署名約180筆の中にはノーベル平和賞受賞団体「核戦争防止医師会議(IPPNW)」も団体として名を連ねています。
3月17日の上院外交委員会の公聴会でトーマス・カントリーマン米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)が、再処理は経済性も合理性もなく、核拡散防止の観点から「全ての国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」と述べたことを翌日報じた読売新聞は、3月29日の記事で、「米高官が発言修正」と報じました。実は、日本が核武装するとは懸念していないが核不拡散・核セキュリティー・経済性の面での懸念があるから、日本政府及び日本国民にこれを明確に伝えていきたいとの発言でした。
3月17日の上院外交委員会の公聴会でトーマス・カントリーマン米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)が日本の原子力発電所の使用済み燃料再処理計画について、経済性も合理性もなく、核拡散防止の観点から「全ての国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」と述べたことを読売・朝日両紙が報じました。朝日新聞は、この発言について、 菅義偉官房長官は18日の会見で、米政府から日本政府に懸念を伝えられたことは「全くない」と述べたと報じています。また、外務省幹部は「日本以上に厳格で透明性をもって管理をしている国はない」と反発したとのことです。
2月25日、対日政策に大きな影響力を持ち、駐日大使候補にもなったジョセフ・ナイ元国防次官補を含む13人の元エネルギー・国家安全保障関係米政府高官・専門家らが、米エネルギー省長官に対し、軍事用余剰プルトニウムをMOX燃料として処分する計画を中止するよう要請する書簡を送りました。彼らは昨年9月にも同様の書簡を出していました。今回の書簡は、オバマ大統領が2017年予算案でMOX燃料製造工場建設計画中止を発表した後、議会の計画擁護派が予算復活を目指して圧力を掛けているのを受けてのことです。六ヶ所再処理工場の運転開始計画や中国・韓国の再処理計画を止めるためには米国のMOX計画も止めるべきと主張です。
茨城県東海村の「高速炉臨界装置(FCA)」に警備体制の不十分な形で置かれている331kgのプルトニウムを米国に輸送すると見られる2隻の英国籍の船が3月4日神戸港に入港しました。諸情報を総合すると、パシフィック・イグレットは3月8日朝に、パシフック・ヘロンは3月19日に出港し、東海村施設近くの茨城港日立港区へ向かう予定です。
北朝鮮は、2月7日、ロケット「光明星(クァンミョンソン)号」を打ち上げて地球観測衛星「光明星4号」を軌道に投入することに成功したと発表しました。ロケット打ち上げから約2時間後、米「統合宇宙運用センター(JSpOC)」は、二つの物体が軌道に乗っていると発表しました。人工衛星とロケットの3段目で、それぞれ「北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)」の識別番号41332と41333が与えられました。同日、日本政府は、内閣官房長官声明で「本日午前9時31分頃、北朝鮮が『人工衛星』と称する弾道ミサイルを発射した」と発表。マスコミ各社はほぼそのまま報じました。