2006年08月17日

必死だったインド政府──足りないウラン

インドが米国と原子力協力合意に踏み切った最大の理由の一つは、国際的に孤立している現状ではウラン燃料の輸入ができないということにあります。インド政府の高官は、

「実際のところ、我々は必死だった。核燃料は、2006年末までの分しかないんです。この合意ができなければ、原子炉を停止することになっていたかもしれない──そして、その延長として、原子力計画を。」(BBC2005年7月26日

と述べています。合意によって保障措置下に置くことにする一部の原発用のウランが外国から手に入るようになれば、それで浮いた国産ウランを核兵器用に回すことができます。

 5月現在の国産ウランの需給データをまとめたものを「NPTの根幹を揺るがす米印原子力協力」に追加しました。

投稿者 kano : 2006年08月17日 14:43