2008年09月03日

高まる米印協定批判──長崎議会決議・新聞社説

NPT未加盟のインドに原子力協力をしようという米印原子力協力協定への批判が高まっています。

長崎市議会が9月1日の9月定例会開会の冒頭で協定発効に反対するよう政府に求める決議案を採択しました。県議会でも3日「米国とインドの原子力協力に係る日本政府の核不拡散及び核軍縮体制推進を強力に求める意見書」が採択されました。また、最近の各紙の社説も改めて協定批判の議論を展開しています。

市議会の決議は、次のように述べています。

インドに対する例外的な取り扱いが認められれば、インドは事実上の核保有国として認められたにも等しく、NPT体制の形骸化が危惧されるばかりか、核兵器廃絶の取り組みを進める上での大きな支障になることが懸念され、被爆地長崎として容認されるものではない。

 よって被爆地長崎の本市議会は、核兵器廃絶と平和な世界の実現を願う立場から、日本政府に対し、NSG総会においてインドを例外的な取扱いとすることに反対するとともに、インドに対し、核不拡散条約(NPT)ならびに包括的核実験禁止条約(CTBT)への加盟を働きかけ、国際社会における被爆国としての使命を自覚し、主導的な役割を果たすことを強く要望する。

県議会の意見書は次のように述べています。

・・・先のNSG臨時総会におけるインドへの特別措置の議論は核軍縮、核不拡散に逆行し、NPT体制の形骸化が指摘されているところであり、県民にも大きな不安が広がっている。

 ついては、国においては、核兵器廃絶を目指す被爆国として、引き続きインドに対してNPTへの早期加入と包括的核実験禁止条約(CTBT)への署名及び批准を行うよう働きかけるとともに、NSG臨時総会においては、核不拡散体制の強化に努めてきた立場を踏まえ、インドへの特例措置を世界唯一の被爆国として認めないよう強く要望する。

 併せて、国の対応を国民に十分説明し、今後とも核兵器廃絶に向けて積極的に取り組むよう要望する。

長崎の被爆者団体もまた、間もなく再会される原子力供給国グループ(NSG)の臨時総会で、NPT未加盟のインドに核を提供する米印原子力協力協定反対するよう求める文書をNSG内の慎重派六カ国に、送りました。

参考

各紙の社説

投稿者 kano : 2008年09月03日 11:41