2009年04月30日

中曽根外相、核軍縮で演説 核抑止の重要性強調

中国の核軍縮と透明性拡大を要求

中曽根外務大臣は、4月27日、「世界的核軍縮のための11の指標」と題する演説で、日豪主導の「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」に最大限の支援をすると述べましたが、核兵器の役割を他国による核攻撃の抑止に限り、先に核を使わないようにと米国に求めているエバンズ・川口両共同議長らの主張には触れませんでした。一方、大臣は、北朝鮮や中国に触れ、日米安保の下での核抑止を含む拡大抑止の重要性を強調しました。

●演説全文

●参考

●演説抜粋

中国

中国の戦略的方向性は不透明な一方、核軍備の近代化を進めており、これまで核兵器削減に取り組んでいません。また、情報開示を一切行っていません。

核の傘

先程述べた東アジアの状況にかんがみれば、我が国にとっては日米安全保障体制の下における核抑止力を含む拡大抑止が重要であることは言うまでもありません。こうした観点も踏まえつつ、今や、国際的な核不拡散体制を維持・強化しつつ、核兵器のない世界という到着点と、そこに至るまでの過程の両方において、国際的安定を維持できるような現実的な核軍縮の方途を、より具体的に検討すべき時期が到来していると考えます。

「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」

我が国は、以上申し上げたような、世界的核軍縮のための「11の指標」の実現を目指して、積極的に行動してまいります。特に、来年開催される2010年NPT運用検討会議でもこの指標を提案し、同会議の成功に向けて最良の環境を醸成していく考えです。また、冒頭で触れました「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」、これは、川口順子元外務大臣とエバンス元オーストラリア外務大臣が共同議長を務めておられますが、同委員会が、本年秋の広島での最終会合において、核兵器なき世界にたどり着くための現実的かつ行動志向型の提言を取りまとめることを期待します。我が国としては、同委員会に対して最大限の支援を継続していきたいと考えます。

投稿者 kano : 2009年04月30日 12:51