2006年04月01日

韓国の市民団体、六ヶ所再処理工場の稼働強行を糾弾

六ヶ所再処理工場の稼働を目前に控えた3月31日午前11時、韓国の13の市民団体がソウルの日本大使館前で、工場稼動糾弾緊急記者会見を開きました。会見に集まった約20人の代表らは、核兵器や核廃棄物ドラム缶の模型などを背景に共同声明を読み上げた後、核爆発や再処理工場の放射能で死んでいく人々の模様を表現したパフォーマンスを行ないました。

原文

六ヶ所核再処理工場 稼動強行を直ちに撤回せよ

- 六ヶ所核再処理工場稼動切迫

- 韓国市民団体共同声明-

日本六ヶ所核再処理工場の<稼動>が切迫している。去る3月29日日本原燃と青森県は核再処理工場の稼動のための安全協定を締結し、今日の周辺市町村との安全協定締結が完了すれば午後にでも稼動が始まる。

試験稼動だが、本格稼動と同じく使用済み核燃料を使ってプルトニウムを抽出するようになる。六ヶ所核再処理工場は2年の内にプルトニウム4トンを抽出し、100%稼動される2011年からは毎年使用済核燃料800トンを再処理してプルトニウム8トンを生産する計画だ。このようなプルトニウムは1,000余個の核爆弾を作ることができる莫大な量だ。

この間韓国の市民団体は日本市民団体及び現地住民、そして国際社会の市民とともに、六ヶ所核再処理工場の稼動が北東アジア地域の安全と平和を害して、国際的核拡散防止体制に深刻な脅威をもたらすことになるという憂慮を示して来た。また、去る1月26日には米国議会議員6人が六ヶ所再処理工場稼動延期要請書を日本政府に送り、国内でも去る2月3日核軍縮議員ネットワーク(PNND)所属国会議員10人が反対意見を表明した。

私たちは六ヶ所核再処理工場の稼動がもたらす<危険>を再度強調し、日本政府に対して稼動強行を直ちに中断することを要求する。

第一に六ヶ所核再処理工場が稼動されれば、その瞬間に国際核拡散防止体制はその根幹から揺すぶられることになる。

莫大なプルトニウムを生産するようになる核再処理工場の稼動は中国、イラン、北朝鮮など他の国家のプルトニウム生産と保有に対する強い誘惑と口実を提供するようになるだろう。また、再処理が許されていない韓国など大多数の国々との間で原子力平和的利用の権利に関する不平等を深化させるだろう。さらに大量のプルトニウムの在庫はテロ集団の目標物になり、核拡散危険を増大させるだろう。

第二に、六ヶ所核再処理工場の稼動は北東アジアの平和と安定を害することになる。

プルトニウムは原子力発電だけでなく、核兵器を作るにも使われる。日本が莫大な量のプルトニウム在庫を保有していることだけでも周辺国は安全保障面で憂慮せざるを得ない。さらに、最近の日本の軍事大国化を憂慮する北東アジア周辺国に日本の<核武装意図>に対する憂慮を増幅させて緊張の原因を提供するようになる。これは北東アジア地域の新しい軍備競争もたらすことになるだろう。

第三に、六ヶ所核再処理工場が稼動されれば北東アジア地域は核の惨事の恐怖の中で生きて行かなければならなくなる。

使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する核再処理過程はその作業自体が極めて危険な過程だ。また、六ヶ所核再処理工場は放射能を含んだ気体と廃水を大気中と海にそのまま排出するようになる。最終的にそれが北東アジア地域の大気と海洋の汚染につながるのは明らかだ。

このような憂慮にもかかわらず日本政府と原子力当局が核再処理工場の稼動を強行すれば、それは韓国を含めた国際社会の憂慮を完全に無視する行動だ。それだけでなく、日本国民の平和で安全な生活を破壊する不合理な判断であることを肝に銘じなければならない。

日本政府に核再処理工場稼動計画の撤回と全面的な見直しをもう一度促す。また、今日この席に集まった韓国の市民団体はたとえ稼動が強行されたとしても、日本の現地住民や市民団体,そして国際社会とともに稼動中断のための連帯を続けて行くことを明らかにしておく。

2006年3月31日

緑の連合 / 民主労動党 / 民主社会のための弁護士の集まり / 非暴力平和の波 / 参与連帯平和軍縮センター / 青年環境センター / 平和ネットワーク / 平和を作る女性 / 平和作り / 平和博物館建立推進委員会 / 平和市民連帯 / 韓国青年連合会(KYC) / 環境運動連合

参考:

投稿者 kano : 2006年04月01日 03:14